前回は、体重が、何を食べるかではなく、どれだけ量を食べるかで決まる、
という話をしました。
今回はそれを受けて、体重を減らすためにどのように食事の量を減らすか、
という話をします。
始めに、してはいけないことを2つ書いておきます。
1つは、糖尿病の薬(インスリンを含む)を使っている患者さんが、
主治医に黙って食事を減らすことです。
低血糖発作を起こして、命にかかわることがあるので、これは守ってください。
もう1つは、必要な量の蛋白質を摂らないことです。
守らないと、筋肉が減り、体を壊してしまいます。
(このブログを読んでくれている人には、「いつものアレか」
になっていると思いますが、検索エンジンやブログ・ランキングから来て
このページしか読まない人もいるので、念押ししておきます。
また、どちらかというと蛋白質の摂りすぎで体重が減らない人が多いことも
付け加えておきます)
人間の体は飢えに強く丈夫にできているので、
その他にしてはいけないことというのは、医学的にはありません。
「体重を減らす食事」が成功する鍵は、
この(飢えに強く丈夫だという)知識を駆使して、楽に実行できるかどうかです。
そのためには、今いわれている常識は日常の体験に合わない、すなわち、誤り
であることを、このブログのページを始めから読んで納得しておくことが必要です。
また、食事の量を減らしすぎるとその弊害が出ますし、減らし足りないと、
体重の減り方が遅かったり生活習慣病が治らなかったりするので、
減らすカロリーと、そのカロリーが実際にどれくらいの量になるのか
を確認してから始めるようにしてください。
あと、このページを書くに当たって、念のために、
「体重を減らす食事」で検索をかけたところ、
「この食品(またはその組み合わせ)でカロリーが吸収されにくくなる」
のような、効果が(たぶん実証されてい)ないことが書かれているサイトがありました。
正しい知識を確認しておいてください。
(浜の真砂は尽きるとも、○○ダイエットの種は尽きまじ、ですね)
最後に、診察室での、私と生活習慣病の患者さんの会話で、
正しい知識を得るまでに、どこでつまずきやすいか確認しておきましょう。
(体重が重い人には、患者さんでなくても参考になるはずです)
血圧が高い人やコレステロールが高い人が、体重がかなり重いという場合には、
次のような話をします。
・・・ ・・・
私「体重を減らすと血圧やコレステロールが下がって、
薬をのまなくてもよくなるかもしれません。
運動しても、思っているほどカロリーは使っていないから、
食事のカロリー、つまり量を減らしましょう」
患者さん「そんなに食べていません、夕食のご飯の量も減らしています」
私「食事の量というのは、(米の)ごはんの量だけではありません。
パン、麺類などの主食(穀類、炭水化物)や、
肉、魚や大豆製品などの副食(蛋白質を多く含む食品)
も含めた食品を全て合わせた量のことです」
患者さん「炭水化物や肉類は分かりますが、
もしかして、魚や大豆製品も食べる量が問題なのでしょうか?」
私「魚や大豆製品に体に良い成分が含まれていたとしても、
そのことと、カロリーがふつうにあるということとは別です」
患者さん「植物性蛋白は体に良いと聞いたことがあるのですが」
私「植物性でも、動物性でも蛋白質は、筋肉など体を作るだけでなく、
脳に必要なブドウ糖や、体脂肪の原料にもなります。
ですから、摂りすぎると肥満の原因になります」
患者さん「魚や大豆製品までダメだとすると、私は何を食べればいいのでしょう?」
私「食べて悪い、ダメだという食品は、何もありません。
それらの食品を含めて、食事の量を減らせば体重が減り、
血圧やコレステロールが下がる可能性があるのです」
患者さん「1日の仕事を終えておいしいものを食べるのが楽しみです。
その食事を減らすのはつらいことです」
私「食事減らす、というと、ほとんどの人が夕食のことしか考えないようです。
しかし、自分の生活環境に合わせて、
減らしやすい食事から、減らしやすい食品を減らせば、
どの食事でも、減らした量に応じて体重が減っていきます。
次の患者さんが待っているので、申し訳ないですが、
このページを読んでおいてください」
患者さん「分かりました。読んでみます。
その上で、血圧、コレステロールが下がるのであれば、
食事の量を減らすことも考えてみます」
私「では、お大事に」
・・・ ・・・
「体重はカロリーだ!(このブログのタイトル)」、
「カロリーは食事の量(このページの内容)」、
ですから、2つを合わせると次の言葉になります。
「体重は、食事の量」
(体重が重い原因と減らす方法を過不足なく表すよい言葉になりました)
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