基礎代謝(じっとしていても使われるカロリー)で説明できる常識の誤り・その2は、「運動しないと体重は減らない」 (これは誤り。運動しても体重が減らない原因は、基礎代謝が大きいこと)

前回は、
夕食を減らさなくても、遅く食べてもかまわない、ということが、
消費カロリーの中で基礎代謝の占める割合が高いことで説明できる、

という話をしました。

今回は、
「運動しても体重が減らない」原因も、
基礎代謝が大きいことで説明できる、
という話をしていきます。

・・・
前回、夕食が遅くなると太るのは小腹を満たす間食を余分に摂るようになるから、という話のあとで、
・・・

患者さん「体温調節?」

私「はい。基礎代謝で使われるカロリーのうち、
  体温を一定に保つために使われる分が最も多いと言われています。
  人間は恒温動物ですから、
  体温を一定に保つためにカロリーを大量に使っています。
  は虫類などの変温動物はこのカロリーが要りません。
  彼らは動くときにしかカロリーを使わないので
  1週間に1度しか食べなくてもやっていける種もあるそうです」

患者さん「基礎代謝が消費カロリーの7~8割なら、残りは?」

私「日常生活で、ふつうに体を動かして消費するカロリーです。
  これが2~3割ということになります」

患者さん「だとすると、今までの2倍体を動かすようにしても
  消費カロリーはそんなに増えない」

私「そうです。体を動かすのに使うカロリーが2倍になっても、
  体重を減らす効果は、食事のカロリーを2割減らすのと同じ
  くらいにしかなりません」

患者さん「歩行時間で言うとどれくらい?」

私「今までの運動に加えて、さらに毎日2時間くらい歩く時間を増やす
  のに相当します。これによって理論的には、
  最終的に体重が2割くらい減ることになります」

患者さん「体重が2割というと75kgの人なら15kg減るということですね」

私「はい。ゆっくりですが(年単位で)、そのあたりまで減っていきます。
  ただし、毎日の歩行時間が半分の1時間なら
  体重は半分の7.5kgしか減りませんし、
  さらに、同じ時間でも3日に1度なら何年続けても
  体重減少はさらにその1/3の2.5kg以上は減りません」

患者さん「運動を続けても、それ以上は減らないという体重があるのですか?」

私「運動で増やした消費カロリーが、摂取カロリーを上回っている間は、
  体重が減ります。ところが、体重が減るにつれて
  だんだん消費カロリーも減ってきます。

  減ってきた消費カロリーが摂っているカロリーと同じ
  になった時点で、それ以上体重は減らなくなります」

患者さん「運動を止めるとどうなりますか?」

私「始めた時と反対に、体重がだんだん増えて、
  最終的に運動を始める前の体重に戻ります」

患者さん「運動を続けると、太りにくい体質になるというわけではないのですね」

私「その通りです。歩行というのは有酸素運動ですが、
  ウェイトトレーニングなどの無酸素運動でも同じで、
  運動を止めると、元の体形に戻ります。

  無酸素運動をして筋肉が増えると基礎代謝が増える、
  基礎代謝が増えると体脂肪が減る、
  というところまでは正しいです。

  しかし、運動を止めてもその状態が続く、すなわち体質が変わる、
  というのは誤りです。実際には、運動を止めると筋肉量が減り、
  体脂肪が増えて元の体形に戻るからです。

  ですから、
  『運動を続けていると、いつか、それを止めても
  増えた筋肉量と減った体脂肪量を保ち続けられる日が来る』、
  すなわち、太りにくい体質に変わる、ということはありません。

  体質が変わると言っている人も、それを『いつまで続ければ』
  体質が変わるのかは言えません。
  スポーツクラブなどで運動を続けている間は
  体形が維持できている例は見ているかもしれせんが、
  運動を止めても体形が維持できている、
  すなわち、体質が変わった例は見たことがないからです」

患者さん「『いつか、運動から解放される』ということではないのですね」

私「はい。それは、食事のカロリーを減らして体重を減らしたときも同じです。
  体重が減ったあとに、元の食べ方・カロリーに戻ると、
  ゆっくり元の体重に戻っていきますから、
  『体重を維持するためには食事のカロリーを減らし続ける』必要があります。
  そのために、減らしやすい食事から、減らしやすい食品を減らして、
  挫折を防ぐ必要があるのです」

患者さん「運動も食事も結局、終わりはないと思うと、
  いっそ何もしないでおこうかと思ってしまいます」

私「食事の習慣を変えたくないので『運動に逃げる』人は多いです。
  運動で効果がないと分かると、
  『つらい食事』に正面切って取り組まねばなりません。
  しかし、そのつらさの中には、食事を減らしても体に害はないのか、
  という不安が含まれているので、その点を
  (このブログを読み込んで)解決すると、
  実際の空腹感はそれほどつらくありません」

・・・
次回は、「朝食を摂らなくても体や脳の働きは悪くならない」

ことを、基礎代謝との関連でお話します。

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