(1日に何度も)体重を計るだけ、というダイエット法に従って、
・ 「できるだけ」体を動かして、余分な間食などを摂らない、
ようにしていても、一定の期間後に体重がどれだけ減るかは分かりません。
それは、1日に何度体重を計っても、
測った体重と、カロリーの出入り(すなわち脂肪組織の増減)との関連が薄いことや、
運動後の間食など、かえって体重を増やすこともしてしまう(試行錯誤する)ことによります。
ダイエットが糖尿病や高血圧など生活習慣病の治療として行われる場合、食事療法と呼ばれます。その代表は、「食品交換表(1975年=昭和40年初版)」による糖尿病の食事療法です。
ところが、生活習慣病の診療に携わる医師の間では十分に使われていません。
高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病など、生活習慣病の患者さんに、
体重を減らしましょう、と勧めるのは医師の仕事のひとつです。
「ウーン、やっぱりそう来るよな」という顔をしている患者さんには、
その患者さんが辛そうなことはしなくてもよいということ、たとえば、
「ビールは止めなくてもいいです」であるとか、
「運動はしなくてもいいです」と言うことにしています。
今度は、「そんな話は聞いたことがない」と不審がる患者さんが多いので、
4月に年度が替わって健康診断を受けた、という人もいると思います。
昨年から会社などの健康診断(特定健康診断、いわゆるメタボ健診)の問診で、
「生活習慣を改善するつもりはあるか?」 という項目が加わっています。
はい、と答えた人のほうがやる気があるだろう、と考えた厚生労働省が、
特定保健指導(メタボ保健指導)を受けてもらう人を選ぶために作った項目なのでしょう。
この質問に、いいえ(生活習慣を改善するつもりはない)、と答えている人でも、
前回の、「医師や看護師についてはいけないウソ…」
で取り上げた記事の中で、
「医師の多くは、患者のうそを分かっているはずだ」との解説もありました。
しかし、分かったうえで、どう対処するかには悩ましい場合があります。
かつて、成人病と呼ばれていた、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病が、
「生活習慣病」に名前を変えたのは、有意義なことでした。
成人になると誰もが掛かる病気で仕方がない
のではなく、
原因は生活習慣で、対策は生活習慣を変えること
を示す名前だったからです。
ところが、生活習慣をどう変えるかという具体的な対策に誤りが多かったために、
名前が変わってからも生活習慣病は、増え続けました。
それは、
高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などの生活習慣病は、
体脂肪(内臓脂肪)を減らすと治る、
というのがメタボリックのシンドロームの元々の概念です。
このブログにも書いてきたとおり、
カロリーを減らすと体脂肪・体重が減って生活習慣病の患者さんが治る
ことはしばしばあります。
しかし、多数の医師にとって、
生活習慣病は、治る病気だとは思われていません。
そう思うに至ったのは、
現在行われている生活指導、食事療法の(惨めな)結果を見た
からに違いありません。
初めに、
という約束にします。
治った状態が維持できると、動脈硬化のスピードが遅くなったり、動脈硬化が改善(動脈が柔らかくなる)したりして、脳卒中や心筋梗塞になる危険が減ります。
ただ、脳卒中や心筋梗塞を防ぐためだといっても、
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