ダイエット・食事療法についての誤った知識を正すために、患者さん、読者、世の中全体に対して、新たな「知識の出会いによる衝撃」を仕掛ける方法がある

このブログ・サイトで紹介しているダイエット法は、
実行が極めて簡単で、効果が確実です。
にもかかわらず、なぜそう都合よくいくのか、という説明が理解しにくい
という人が少なくありません。

それは、理論が少し複雑であることに加えて、
説明の根拠にしている

  食べた栄養素の吸収率はほぼ100%
  (だから、食べる順番、食事の間隔、食べる時刻などに注意しても体重は減らない)

  魚や大豆製品などの蛋白質に、糖質(炭水化物)と同じカロリーがある
  (だから、糖質を制限しても蛋白質を取り過ぎると体重は減らない)

といった自然法則が、今まで聞いていた「常識」と異なるからです。

今までにまったく聞いたことがない、初めて聞いた、という事柄は、
何度か聞けば、すぐに耳に馴染み、本当だと思えてきます。
今は常識になっている、例えば、

  ダイエットのためには、朝ごはんを食べなければならない

という知識も、初めて聞いた時期があり、その後何度も同じことを聞くことによって頭の中に定着してきたはずです。

問題は、今まで頭の中に入っていた「常識」とは逆の、

  ダイエットのためにと思って、朝食を食べると太る

のような知識に接したときに患者さんや読者が感じる違和感や、それに続く警戒感が、
患者さんや読者を身構えさせることです。

そもそも、(誤った)「常識」が頭に定着するには、
次のような知識の出会い(とそれによる衝撃)があったはずです。

例1.子どものころ親から聞いた

  食べてすぐ寝ると牛になる(それは行儀が悪い)

という教えに合致する、

  寝る前に食べると太る(という誤った「常識」)

がうまくハマった衝撃が、記憶にとどめやすくする

例2.長い間おびやかされていた

  飢えへ恐怖

があるところに、

  食事と食事の間隔が開くと栄養の吸収がよくなる

という知識が入ると、それが、命の危険を減らす、といった安堵をもたらす

こういった、知識の出会いで形作られた(誤った)常識があるところへ、
それとは正反対の(正しい)知識を聞くと、
どうしても身構えてしまい、それ以上どんな話を聞いても耳に入ってこなくなります。

そうならないように、論の運びとして、次のような工夫をしています。

1.その人が経験したり、聞いたことがある身近な事例を納得してもらってから、
  「常識」との矛盾を提示する。例えば、

  モンゴルの遊牧民は肉や乳しか食べず穀物を摂らない、
  しかし低血糖が起きないのはなぜ?
 (人間は、蛋白質からブドウ糖を作る能力があるからです)

2.誤った常識が根拠としている誤った法則、例えば、

  寝る前に食べると太る

の根拠として、

  寝ている間は消費カロリーが少ない
  食事の時間が開くと栄養・カロリーの吸収率が上がる
 (正しいのは、
  7時間の睡眠中に2時間歩くのと同じカロリーを使っている
  食事の間隔が開いても詰まっても、栄養の吸収率はほぼ100%)

を患者さんが言う前にこちらから言って、信頼を得るようにする

3.正しい知識が発見されたときの印象的な話、例えば、

  カロリーの吸収率は、食べ物を燃やして出るカロリーと
  糞便のカロリーを燃やして出るカロリーの差で調べた(これホントです)

といった知識で、頭に居座っていた誤った常識を追い出そうしたりします。

このような私の方から提示する知識の出会いが、
患者さんや読者の新たな常識となってしまえば、
ダイエットの実行にはほとんど困難がなくなります。

そして、世の中に一度定着した誤った知識も、(ホレ、こうやって)
徐々に改めていくしかありません。


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