かつて、成人病と呼ばれていた、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病が、
「生活習慣病」に名前を変えたのは、有意義なことでした。
成人になると誰もが掛かる病気で仕方がない
のではなく、
原因は生活習慣で、対策は生活習慣を変えること
を示す名前だったからです。
ところが、生活習慣をどう変えるかという具体的な対策に誤りが多かったために、
名前が変わってからも生活習慣病は、増え続けました。
名前は良いが、方法が間違っていたのでむしろ生活習慣病が増えてしまった
それは、
このブログのタイトル「体重はカロリーだ!」で主張しなければならないように、
カロリーを量的に正しく捉えられず、その結果体重を思い通りに減らせなかったからです。
消費カロリー量や摂取カロリー量を正しく評価すると、
下の表で示したように、
今まで生活習慣を改善する善玉と思われていたことは、
すべて、摂取カロリーを減らさず、むしろ増やす方向に働いていて、
害がある悪玉と思われていたものも
それほど摂取カロリーを増やしていなかったことが分かります。
表.従来の評価と、カロリー量による正しい評価
(項目のリンク先にはその根拠が述べてあります)
善玉扱い:量的に評価すると… | 悪玉扱い:量的に評価すると… | |
消費E 食事 食品 |
運動:効果は少ない 3度の食事:抜いてもよい 蛋白質、炭水化物:減らしてもよい |
寝る前に食べる:問題ない 暴飲暴食、間食:問題ない 砂糖、油、酒類:問題ない |
(これらが正しく評価されてこなかった理由を類型化しようと試みましたが、
同じ辛いことでも、運動は体に良く空腹は体に悪い、と思われていて、
気持ちのいいことでも、魚などの蛋白質は体に良く油やアルコールは体に悪い、
と思われているといった具合で、
それぞれの評価が行われるようになったのは、
偶々(たまたま)、という以外の理由を見つけることはできませんでした。)
これをたとえると、
原因と対策は、(遺伝など生まれつきではなく)
生活習慣の軸に沿って行けば見つかるはずだ、と思い定めて歩き始めたが、
治す方向ではなく、病気を作り悪化させる反対の方向に向かっていた、
ということになるでしょう。
正しい方向に歩こうとするなら、
ことが必要です。
「食べ過ぎ病」という言葉が、高血圧・脂質異常症・糖尿病を治す
そこで、「生活習慣病」という名前を、
「食べ過ぎ病」
という見ただけで正しい原因と対策が分かる名前に改めることを提案します。
その狙いは、過去の失敗に学んで、
生活習慣の軸でも、運動は効果が少ないから、食事を重視する、
そして、食事のカロリーすなわち量を減らす方向を正しく指し示す
ことです。
もし、この名前が知れ渡れば、
肥満で高血圧の患者さんが、自分はそんなに食べていないと主張しても、
食べる量を減らせば治るチャンスがある
ことを説得しやすくなるはずです。
「生活習慣病」とほぼ同じ内容を表す言葉としては、
「メタボリックシンドローム」が、数年前に出ています。
しかし、メタボリックは代謝(が悪い)という意味で、原因を正しく捉えていませんから、
当然結果は出ていません。
これに対して、「食べ過ぎ病」は、
高血圧・脂質異常症…の原因は、食べ過ぎで、
対策として、食べる量を減らすことを優先すれば、運動はその後でも病気が良くなる
ことを捉えた上での名前なので、
その名前が指し示す「食べ過ぎ病」自体を減らすことが期待できます。
[…] 名前が、「ふだんの」生活習慣が原因であるのを反映していること […]
[…] 前回の記事で、生活習慣病を治すためには、 カロリーを減らす […]