「カロリーを減らしても体重が減らない」原因・その2は、理論的な誤りで実際にはカロリーが減っていないこと (理論が現実を正しく反映していなければ、現実の失敗として現われる)

「カロリーを減らしても体重が減らない」原因は、
前回の3つの他に、これから述べる3つがあります。

今回の3つも、
減らしたつもりが現実には減っていない、
というところは前回と共通しています。

ただ今回は、
理論(現実の捉え方)が、現実をうまく反映していない
ことが原因でカロリーが減っていない場合を挙げます。

 4.カロリー計算をしても、基になる目標体重や消費カロリーが
  間違っている

という場合。

これも、結構ある事例です。
カロリーをどれだけ摂るのかは、

   1) 身長から計算した標準体重、
   2) 体重当たりの基礎代謝量、
   3) 日常の運動量、

によって計算しますが、1) ~ 3) のどれでも誤差が生じます。

1) 標準体重が今の体重より多かったり、
2) 元々カロリーの消費が少ない生まれつきの体質(倹約遺伝子)があったり、
3) 日常の運動を多めに見積もったり (予定や希望が含まれるのでしょう)

すると、せっかく面倒なカロリー計算をしていても、
今まで(計算はしていなくても)実際に摂っていたカロリーより多くなっていることがあります。

ましてや、成年男子(女子)なら平均 xx00 kcal、という数字では誤差が大きすぎて、
体重を減らそうとする1人1人にはほとんど役に立ちません。

カロリーを減らすときには、
「摂るカロリー」でなく、今の食事から「減らすカロリー」を考えると、
誤差がなくなり、必ず体重が減ります。

またカロリー計算をしなくても、大まかに見当を付けて、食事の量を減らすと、
体重は確実に減ります。

どうしてもカロリー計算がしたい人は、

まず、今までどおり食事を作ってみて、そのカロリーがどれくらいだったかを測る

そのカロリーから、「今の食事から減らすカロリー」を引いたカロリーの食事を作る

ようにすると、計算の誤差が少なくなり、体重が減っていきます。

 5.以前から、カロリーを減らし続けている

という場合。

以前に摂取カロリーを減らして、その時は体重が何kgか減ったのだが、それ以降は減らない、という場合です。

これは、体重が減ることで消費カロリーが減り
(少ないカロリーに体が適応したのではありません。その理由)、
減らした摂取カロリーと同じになっているので、
それ以上体重が減らなくなっているということです。

特定保健指導(いわゆるメタボ健診で行う保健指導)では、
今の生活を基準にして、
そこから腹囲が85cmになるようにカロリーを計算して減らす、
というのが標準的な方法になっています。
(ただし、体重が減ると消費カロリーが減ることを考慮していないので、
 期待通りには体重が減らない残念な計算方法です。[正しい計算方法
 また、生活環境に合わせてカロリーを減らすことが考慮されていないので
 あまり成果が上がっていません。[生活環境に配慮した特定保健指導の教材])

このカロリーを減らすために、具体的な実行目標を立ててもらうのですが、そのとき、
以前から実行していて現在も実行中のこと
を目標の1つに入れる人がいます。

以前から実行していますから、すでに体重が何 kg か減っています。
(報酬は、一部受け取り済み)
体重が減った分、消費カロリーも減っているので、
その時点から新たに減る体重(追加の報酬)は多くありません。

6.いわゆる停滞期

の場合。

「停滞期」として語られているのは、

カロリーについてよく知らないまま(勢いだけの)ダイエットを始めたときに、

かなりカロリーが減っていて(例:2000kcal → 1200kcal)体重も減ったが、

その後、油断やら苦痛やらでカロリーが増えてしまい
(例:1200kcal → 1800kcal)体重が減らない、

気を取り直して再度カロリーを減らし
(例:1800kcal → 1600kcal)再び体重が減り始める、

といった状況のことだと思います。

さらに、それを説明するために

ホメオスタシス(体が一定の状態を保とうする働き)」や

セットポイント(遺伝的にあらかじめ決まっている体重)」

のような神秘的な(正しいとも誤りとも判断しようがない)概念を仮定する人がいます。
しかし、そのようなことをして物事をかえって分かりにくくしなくても、
カロリーを減らした後の体重変化は、簡単な法則、すなわち、

  •   1) 体重が減ると消費カロリーが減る
  •   2) 消費カロリー - 摂取カロリー = 体重変化

の2つで説明できます

このように、理論の誤りでカロリーが減らないときがありますが、
このブログで述べきた、より正しく現実を反映した理論を使うことによって、

現実にカロリーが減り、

それに伴い体重も減っていきます。

コメント / トラックバック24件

  1. なり より:

    ありがとうございます。

    詳しく書きたかったので申し訳ないです。

  2. taijuuh より:

    では、サイトからメールを送りますので返信してください。
    迷惑メールに振り分けられることもあるので、そちらもチェックしてください。

  3. なり より:

    返信ありがとうございます。

    自分から質問しておいて大変申し訳ないのですが
    サイトを介してのようなものでかまいませんので

    メールみたいなものはだめですか?

  4. taijuuh より:

    少し見えてきました。
    食事の調節を上手にすれば必ず体重はコントロールできます。

    お疲れでしたら明日で結構ですが、もう少し質問に答えてもらえませんか?

    問1.
    「今年の4月は41kg、
     その後過食になり、
     1か月前からダイエットを始め、
     1万kcalマイナスを出したのに42kgだった」

    ということでいいでしょうか?

    問2.
    1か月前の体重も大体42kgだったのでしょうか?

    問3.
    今の身長と体脂肪率を教えてもらえますか?

  5. なり より:

    おいそがしいところ、返信いただきありがとうございます。

    おそらく、10年くらいはしています。
    もともとは50キロ前後でした。

    痩せたり太ったりくりかえし ちゃんと痩せようと一月ごろからしていますが
    そのときも体重ははかっていません。

    10年のダイエット期間の間にカロリーを消費した分食べるというダイエットをしても一行に
    体重が減らないことがありましてショックで体重を測るのをやめてしまいました。

    そこからほんとに食べずに一日800kcalくらいですごし、四月ごろ41キロでした。

    しかしそのへんから過食がはじまって
    また、体重をはかってないです。

    最初の体重がわからないとこの質問にもこたえられませんよね、

    すみません、もうしわけないです。

    ただ一ヶ月で一万キロカロリーマイナスにできたので
    40キロにはなってるだろう、と思ったのに
    42キロ代だったためほんとにこのままマイナスをつづけて
    痩せれるのか不安になりました。

  6. taijuuh より:

    なりさん

    大丈夫です。
    今までの質問は全部取り消しにしましょう。

    そもそもダイエットを始めたのはいつごろか?
    その時の体重は? 
    もしわかれば体脂肪率は?

    これだけ教えてください。

  7. なり より:

    返信を見る前に投稿してしまいました、申し訳ありません。
    体重は毎日はかってないです。今日も昨日より増えてたらの恐怖ではかれませんでした。

    そうすると、分析できませんよね、
    中途半端で申し訳ないです。

  8. なり より:

    マイナス310キロカロリーとでました。そうしますと1100くらいですごさなければならないのですが少しきついです。
    一ヶ月前まで低カロリー生活で数ヵ月過ごしたせいか、拒食と過食を繰り返すようになってしまい、食生活をみなおしてみてるのですが、

    倹約遺伝子を持ってる場合やはりダイエットは難しいですか?
    目標を諦めるしかないのでしょうか?

    連投すみません。

  9. taijuuh より:

    なりさん

    例えば、摂取カロリー 体重 体脂肪率
    6月10日 1420kcal 38.6kg 23.6%
    7月06日 1320kcal 38.2kg 26.0%
    8月18日 1530kcal 37.8kg 24.2%
    9月26日 1380kcal 38.3kg 25.4%
    生活活動強度=Ⅱ
    生活活動強度:リンク先の「生活活動強度」の文字の上にカーソルを置くとⅠ~Ⅳの詳細が出ます)

    みたいな感じでお願いします。

  10. なり より:

    返信ありがとうございます。差し支えはないのですが、どのようにかけばいいのかわからなく、

    ここ一ヶ月で約1万キロカロリーをマイナスしているのに、減ってないという状況です。

  11. taijuuh より:

    なりさん

    女性は生理周期後半~月経前は体に水分が貯まって体重が増えやすいので、
    体脂肪が減っていても、たまたまその時期に体重を計ると減っていないことがあります。

    もう一つは、やはり、なりさんが倹約遺伝子を持っている可能性です。
    今までの経過は、
    > 消費カロリーサイトや活動量計でマイナス
    > 一日に食べれる量が1400
    > 体重を測ると増えていて

    ということになります。体重が増加しているときは、

      消費<摂取カロリー

    だったわけですから、体重が減らなかった原因は、
    実際の消費カロリーが、消費カロリーサイトや活動量計で推定した数値より少なかったから、
    (倹約遺伝子を持っているから)ということになります。

    なりさんが倹約遺伝子を持っているかどうかは、わざわざ調べなくても、
    これまで数か月のうちの3~5日分の摂取カロリー、体重・体脂肪率と
    生活活動強度(リンク先の「生活活動強度」の文字の上にカーソルを置くとⅠ~Ⅳの詳細が出ます)
    を見ればわかることが多いので、差し支えなければ教えてください。

  12. なり より:

    ブログをほとんど読ませていただきました。
    倹約遺伝子の記事を読んで、それが自分がそうなのか調べる方法はありますか?

    カロリー計算をきっちりしてるつもり、活動量計や消費カロリー計算サイトで消費カロリーをだしてマイナスにしていますが本日久々に体重を測ると増えていて、落ち込み、やる気をなくしてます。

    身長が低いので38kgくらいを目安にしてます。

    元々の食事からカロリーを引くというやり方にすると大分おさえなければならなくなり、サイトや活動量計でマイナスをつくると一日に食べれる量が1400ぐらいまでもっていけるのですが。

    大分おさえなければならないとしてもやはり元々の食事からカロリーをマイナスにする方法にすべきでしょうか?

    体重が減らないりゆうがわからなく絶望的です。

    まとまりのない文章ですみません。

  13. […] いわゆる隠れ肥満やポッコリお腹の人、 カロリー計算を真面目に実行しても効果がない人の状況も 確実に改善させ、体重を減らします。 […]

  14. […] これによって、「停滞期」や「ホメオスタシス」や「体重のセットポイント」などという 神秘的であいまいな概念を使う必要はなくなりました。 […]

  15. […] (「カロリーを減らしても体重が減らなかった」という人はこちら) […]

  16. […] 次回は、もう少し込み入った、設定するカロリーの問題などに […]

  17. […] その(誤った)知識がある人なら、なかなか減らなくても、 […]

  18. […] ○○○○kcal、 というだけでは、大まか過ぎて、 ダイエットをしよう […]

  19. […] 算するとやはり多いという人もいるし、 仮に倹約遺伝子を持っ […]

  20. […] 面倒なカロリー計算を続けても、体重が変わらなかったり、反って […]

  21. […] 基礎代謝基準値の誤差は、ダイエットや食事療法の失敗の原因 […]

  22. […] 糖尿病が「治る」カロリーより多いときには、改善はしても治る人は […]


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