体重が減らない原因は、誤った知識で十分にカロリーが減らせていないからです。
その誤った知識の背景には、食事を減らすことや体重が減ることへの恐怖があります。
今回は、その恐怖から自由になり、体重を思いどおりに減らせることを目指して、
誤った知識(1~7)を、それが生じて来た恐怖の種類(1~3)に分けて述べます。
恐怖1.食事を減らすと起こる(現実にはない)弊害を恐れる
食事から摂る栄養・カロリーを減らすと体に害がある、
と思うと、おっかなびっくりになり、十分に食事の量・カロリーを減らせなくなります。
あるいは、せっかく減らしても、お腹が空いたことを口実に余分に食べてしまいます。
お腹が空いても、実際には、カロリーを余分に消費したわけではないので、
食べた分はすべて、体重を増やす原因になります。
【誤った知識1】
糖質(炭水化物)を取らないでいると、血糖値が下がり、お腹が空いて、
脳の働きが悪くなる。その状態で何も食べないでいると、
脳が活動できなくなって失神する
【ここが誤り1】
人間には、糖質を全く取らなくても、食事中の蛋白質や、体を作っている蛋白質(体蛋白:その多くは筋肉に含まれる)からブドウ糖をいくらでも作れるしくみがあります。
そのしくみを使って、長時間(長期間)食事をしなくても、血糖値が下がって脳の働きが悪くなったり、失神したりといった危険なことが起こらないようになっています。
空腹感がなぜ起こるのか、そのしくみは、まだ解明されていません。
(「摂食 血糖」などでウェブ検索してみてください)
ただ、「血糖値が下がると空腹感が起こる」のでないことは明らかです。
なぜなら、今述べたように、人間の体は、体蛋白からブドウ糖を作って血糖値を維持するようにできているからです。実際、空腹を感じた時に測っても、血糖値は正常です。
ですから、お腹が空いたときに甘いものなどを食べなければならない、
というのは誤った知識です。
【誤った知識2】
蛋白質は、筋肉や血液を作る原料だし、
その他にも大切な働きをしているから、多く取っても大丈夫
【ここが誤り2】
血糖値を維持するために使われた、筋肉などに含まれる体蛋白は、
次の食事で摂った蛋白質で補充されますから、体蛋白の量は元に戻ります。
もし、摂った蛋白質が必要量より少なければ、
筋肉などの体蛋白が減って体に良くありません。
しかし、
蛋白質の必要量は、目標体重で計算すること、
蛋白質は、穀物(いわゆる炭水化物)にも含まれていること
により、必要量:実際に摂らなければならない肉や魚などの量は、そう多くないので
その量まで減らしても害はありません。
蛋白質を必要量以上に摂ったとき、体は余った蛋白質を、
1.で書いたように、ブドウ糖にしてカロリーとして消費しようとします。
しかし、糖質や脂質で摂ったカロリーも多くて、消費しきれないときは、
さらに脂肪に作り変えられ、(ブドウ糖を経ないで直接脂肪になることもあります)
体脂肪として貯えます。
もし、
無酸素運動を始めた、
男性である、
筋肉が増えやすい体質である、
という条件が満たされれば、筋肉の量が増えるので、その原料として余分に摂っていた蛋白質が使われることがあります。
ただ、現実には稀ですし、それらの条件がすべて揃って、
「筋肉が増えることで基礎代謝が増え体重が減る」
ことはほとんどありません。(その理由)
結局、余分に摂った蛋白質は、肥満の原因なので、その分を減らしても弊害は起こらずに体重が減ることになります。
【誤った知識3】
食事のカロリー計算をするときに摂る「1日に必要なカロリー」は、
人間が活動するために必要なカロリーだから、これ以下に減らしてはいけない
【ここが誤り3】
ダイエット・食事療法でカロリー計算をしていても、体重が全く減らなかったり、
ひどいときには、増えたりすることがあります。
その原因は、
「必要なカロリー」だから、つい摂り過ぎてしまう、
暴飲暴食や間食のカロリーを計算していない、
というだけではありません。
1日にカロリーをどれだけ摂るかという「必要カロリー」は、
目標体重、
体重1kg当たりの基礎代謝(じっとしていても消費するカロリー)、
日常生活の活動性(基礎代謝を1として消費カロリーがその何倍になるか)
を掛け合わせて推定した、目標体重になった時の消費カロリーのことです。
この中で、体重当たりの基礎代謝は、人によって個性が大きく、
平均より2割くらい少ない人もいます。その場合は、
目標体重を今の1割減にしようと思って計算した「必要カロリー」が、
それまで摂っていた食事のカロリーよりも多くなり、
当然、体重が増えてしまいます。
これを防ぐためには、
「摂取すべきカロリー」を求めるのではなく、
「今の食事から減らすカロリー」
を求める方法が有効です。
また、「今の食事から減らすカロリー」にすると、
いちいち食品の重さを計ってカロリー計算をせずに、大まかに食事の量を減らすだけで、
確実に体重が減ることがあります。
というのは、生活環境・リズムに合わせて、自分の都合の良い食事を1食選び、
その1食から「今の食事から減らすカロリー」を減らすと、
(誤った知識1、2で述べたように害はないし、4で述べるように、効果もある)
3食均等に減らすよりも減り方が、はっきり分かる(精度が出る)からです。
そのときは、選んだ1食で今まで摂っていたカロリーを一度推定して、
それから「今の食事から減らすカロリー」を引いた食事を大まかに見繕うようにします。
恐怖2.食事を減らしても弊害が起こらない(現実にはない)しくみを想像する
【誤った知識4】
食ベる物が手に入らないときには、栄養の吸収率がよくなり、
消費カロリーも減って、飢え死にしないようにするしくみが体にある
【ここが誤り4】
食べるものが手に入らない事態が続くと、最後には飢え死にする危険が出てきます。もし、
1) 長時間(長期間)食べないでいると、栄養素・カロリーの吸収率がよくなる
2) 消費エネルギーも減る
3) 体を動かさないでいれば、もっと消費カロリーが減る
というしくみが体に備わっていれば、
食べられなくても生き延びるチャンスが増えるはずだ、
そうであって欲しい、と望むのはもっともです。
しかし、現実の体は、希望のとおりではなく、
1) 食べても食べなくても、カロリーの吸収率はもともと100%、
2) 食事の間隔が開いても、消費エネルギーは減らない、
(「食事回数 消費エネルギー」でウェブ検索してください)
3) じっとしているだけで消費するカロリー:基礎代謝は消費カロリーの6~8割、
という具合にできています。ですから、
長時間食事をしないと、吸収率が上がり、消費エネルギーが減るから、
そうなることを防ぐために、
(誤り1:空腹で血糖値が低下して脳のはたらきが悪くなる、とも相まって)
それまで摂っていなかった朝食を摂る
お腹が空いたときに何か食べる
といったことを行うと、すべて体重が増える原因になりますし、
ようにしても、体重は減りません。
また、寝ている間も体温維持、脳や心臓を働かせるためのカロリー:基礎代謝が消費されているので、
ようにしても効果はありません。
そして、じっとしていても消費するカロリーが大きい(私たち哺乳動物の特徴です)
ということは、運動しても余りカロリーを消費しないことになりますから、
のも、思ったほど体重が減らない、という結果に終わるし、
体を動かすためのカロリーが必要だから、しっかり食べておく、
というのが、摂取カロリーを増やし、体重が増える原因になっています。
恐怖3.体重減少が示す(現実にはない)体の異常を恐れる
食事を減らさなくても、病気で体重が減ることがあります。
これを知っているので、体重を減らすこと自体に不安を持ち、
その不安でダイエットが続けられなくなることがあります。
【誤った知識5】
標準体重の人が一番長生きしているから、それ以下に体重を減らしてはいけない
【ここが誤り5】
高血圧・脂質異常症・糖尿病など生活習慣病があるときには、目標体重として、
BMI値が22になる体重(身長(m)×身長(m)×22)が使われ、
「食事療法で摂取するカロリー」(誤り3. で述べたように、誤りです)も、
その体重を基に計算されています。
根拠となる、日本でのBMIの基準値は、肥満に伴う病気が少ない値で決められています。(にもかかわらず、22という値が、死亡率の低さで決めた基準値と偶然同じになっています。興味がある人は、「BMI22の根拠」、「疫学」などでウェブ検索してください)
また、このような調査は、脳卒中の既往がある人や治療中の人を入れるかなど、
どんな人を調査対象にするかで違った結果になりますが、
どの方法がよいという結論は出ていません。
このようにしっかりした根拠がない、BMI=22という基準による不都合には、
次のようなことがあります。
元々筋肉の少ない「細長体型」の人の体重が増え、標準体重になると、
体脂肪率が高くなって生活習慣病になることがあり、「隠れ肥満」と呼ばれています。
このような人が体脂肪率を基準(男:10%、女:20%)にして目標体重を設定して、
食事療法を行うと、生活習慣病が治ることがあります。
さらに、BMIが25未満の人は「普通体重」ということになっていて、
体重を減らそうとあまり言われていませんから、
体重を減らすことによって病気を治すチャンスが少なくなっています。
そのことが、生活習慣病の患者さんが一向に減らない大きな原因です。
【誤った知識6】
食事のカロリーを減らした時には運動も始めないと筋肉が減る
【ここが誤り6】
体重から体脂肪の重さを引いた値を除脂肪体重といい、
筋肉、骨、内臓などの重さを表すということになっています。
一方、脂肪組織は、脂肪が8割と水分が2割の割合でできています。
(脂肪自体のカロリーは1gで9kcalなのに、
体重は7.2kcal減らすと1gの割合で減る、とするのは、9×0.8=7.2kcalだからです)
脂肪組織に含まれていた水分は、(当然ですが)体脂肪ではないので、
その重さは除脂肪体重に含まれますから、
体脂肪が0.8kg減るときには、同時に除脂肪体重が0.2kg減ることになります。
ところが、この除脂肪体重の減少を、筋肉が減ったのだと誤解して、
ダイエットをするときには運動も始めなければならない、と唱えている人がいます。
実際には、運動しても筋肉が増えるところまではなかなか行きませんから、
「運動しても除脂肪体重は減る」のですが、その結果を見て、
「運動してもしなくても同じだからしなくてよい」、とは考えにくいようです。
このように、「除脂肪体重が減ること=筋肉量が減ること」、ではないので、
蛋白質を必要量摂っていれば、ことさらに運動しなくても、筋肉が減ることはありません。
脂肪が減るときに減る水分の影響も取り入れて、
体重から脂肪組織の重さを引いた値[除脂肪組織量:体重×(1-体脂肪率÷0.8)]は、
体重が減った時も大きな変化がないので、
筋肉が減っているのではないかと気にしている人は、計算し直すとよいでしょう。
【誤った知識7】
体重が減るのは体に悪いことだから、ダイエットは早く終わらせたい
【ここが誤り7】
確かに原因不明の体重減少は、がん、結核、甲状腺などの病気が隠れていることがあるので、それだけで病院(内科)に掛かるべき症状です。
それで、ダイエットがうまくいっていても、体重が減ってくると不安に駆られ、
ついつい余分に食べてしまい、体重が減らなくなる患者さんがいます。
一方、ある程度体重が減ってくると、体重の減り方がだんだん少なくなってくることが分かっています。
この原因は、体重が減ること自体によって、消費カロリーも減るからで、
よく言われる、体吸収率上昇や基礎代謝低下による、停滞期・ホメオスタシス(恒常性)によるものではありません。
この場合も、現実と、「ダイエットは早く終わらせたい」という気持ちとが食い違うので、その焦りで、ダイエットを途中で投げ出してしまうことがあります。
このように、体重が減ったときも、減りにくくなったときも、
ともに挫折のきっかけになるので、
減らしたカロリーによる体重減少量の理論値(体重の減り方のグラフ)と、
実際の体重の推移に違いがないことを確かめていくとよいでしょう。
もし、理論値と比べて体重の減り方が少なくなっているときは、
油断、または不安、あるいは生活環境の変化で、
食事のカロリーが増えた、運動のカロリーが減った
という場合が多いです。
あと、女性の場合、生理周期の後半に水分が体にたまりやすくなって、
その分体重が減りにくくなくなることがあります。
それで不安になったり、反対に、周期の前半に体重が減って油断したりしないよう、
体重のグラフには、生理の開始日を記入していくとよいでしょう。
周期の後半に、体重や体脂肪計(誤差があります)で計った体脂肪率が減っていないように見えても、食事や運動が初めの計画通り実行できていれば、実際の体脂肪は減っています。
科学研究で主張されていても、もとは飢えへの恐怖から
ここまでで述べた誤った知識を主張する科学研究があれば、
それは、研究の主題が、飢えへの恐れから発想されていて、
その主題に一致する実験結果が選び取られ、強調されて、
誤った結論が出やすくなるからです。
それらの研究が誤りであることは、常識や経験で分かります。
(たとえば、失神している人を見て、お腹が空いているのだから何か食べさせよう、
とは考えないでしょう?)
分かってしまうと、肥満の克服までそれほど時間は掛からないはずです。
[…] が火に油を注ぎ、 次々といろいろなことに手を出して、体重が減り続けるが、 そのうち、食欲や栄養不足の恐怖に負けて、 ダイエットを始める前よりも食べてしまうようになり、体重 […]
[…] ころか、 かえって悪化する人もいます。それは、 肥満(体重が基準値内でも体脂肪・内臓脂肪が多い隠れ肥満を含む)の人には、 糖尿病の原因2.のインスリン抵抗性があるからです。 […]
色々不安ばかりで何度も質問してすみません。
安心しました!!
たんぱく質の事、暴飲暴食のカロリーの事、詳しく教えてくださり本当にありがとうございます!!
計算が苦手なのでなかなか理解するのに時間かかりますが、いつも親身に考えてくださって本当に助けられてます!!
ありがとうございます。
(次のコメント)
まゆさん
たんぱく質が足りなかった日のあと、多い日があれば、
脂肪にならず、筋肉など体を作るために使われます。
たんぱく質が少ない日が週2日あり、たまに週3回あっても、
人間の体は丈夫にできていますから、直ちに病気になるわけではありません。
もともと、たんぱく質の必要量は、個人差を見て多めに決められているので、
今の食事が続いても何も起こらないはずです。
なにより、今までの食生活で(たぶん)大きな病気をしてこなかった実績を思い出すと、
もう少し安心できるでしょう。
今は、あまり調子が良くない時期だから、
たとえ240kcalでも、減らそうとしない方がいいかも知れません。
今の時期なら、1日当たり1500kcalに抑えるとして、1週間(×7)で10500kcal。
暴飲暴食の日はふだんより1000kcal多くて、それが週2日として2000kcal。
残り、(10500-2000=)8500を7で割ると1日1200kcalがふだんの食事。
暴飲暴食の日は、1200+1000=2200kcal。
くらいならば、それほど無理なことではないでしょう。
この程度に抑えておけば、少し体重が増えても、
体調が良くなってきたときに減らすのはそれほど辛くないと思います。
自分に自信が持てなくて不安になるのはわかりますが、
これも、今まで、過食症を抱えながらふつうの体重を維持してきた実績を思い出してください。
大丈夫ですよ。
またすみません。
たんぱく質が少ない生活を続けると健康に害あるという事ですが、
たんぱく質が少ない日が数日間程度なら何も起こらないと読んだのですが、
例えば、毎週3日間そうゆう日があるとしても大丈夫なのでしょうか?
さすがに一週間に3日も少ない日がある生活は危険でしょうか…
私はたまに、週末外出等で、忙しい時は食事…たんぱく質が極端に少ない事もあり、
それが毎週続くと考えたら不安で…
また、1日に少し多くたんぱく質をとっても、その日のうちに消費されなかった場合、すぐに体脂肪として貯蓄されてしまうのでしょうか?
その日多くとったたんぱく質はその日のうちに消費されないと体脂肪になってしまうのですかね?
つまりたんぱく質は溜め込める事が出来ないから、
例えば、一週間や1ヶ月で平均として見れば、たんぱく質は必要最低限の量は摂れていたとしても、
摂取が少ない時期は体蛋白が減ってしまい、多く摂取した日は体脂肪として貯蓄されてしまうとかあるのでしょうか
ちょっと難しくて上手く表現出来ませんが…
また、暴飲暴食をやめなくても普段の食事から減らせば体重落ちるという事ですが
私の場合、一週間に1日や2日もそうゆう日があり、カロリーが普段の倍多くとってしまっている場合は
普段のカロリーをよっぽど減らさないと体重も落ちないでしょうか?
例えば、1ヶ月に1kg減らすとしたら、1日240kcallは減らすという事ですが
一週間に1日や2日も普段の倍カロリーオーバーしていたら1日240kcall減らすの頑張ったとしても減らないでしょうか?
毎回、質問ばかりしてすみません
まゆ さん
私の本を買ってもらえるとのこと、ありがとうございます。
ただ、近ごろ、どの書店の店頭で見かけることがなくなったので、
始めから書店のカウンターで注文してもらった方がいいかもしれません。
書名・著者・出版社を言ってもらうと、1週間くらいで入荷したというお知らせが入ります。
ネット書店なら、
アマゾン
セブンアンドワイ(最寄りのセブンイレブンに本が届きます)
が便利かな。
入手したら、ゆっくり読んでください。
いつもとても親身に相談にのって下さり、本当に感謝してます!!
色々、不安が解消して嬉しいです
先生の本を今度書店で探してみます!
ありがとうございました。
まゆ さん
> (たんぱく質25g)、たんぱく質が少ない
25gなら少ないですが、お菓子にも蛋白質は含まれていますから、
(お菓子の袋の栄養表示を見てください)
もう少し摂れていると思いますよ。
> たんぱく質が少ない生活はやはり健康に害
> 44gまで減らしても大丈夫
どちらも、はい、です。
ただし、蛋白質の必要量は、安全率を見込んでいるので、
44gの8割=35gくらいでも大丈夫なはずです。
超低カロリー食の1日600kcalなら、肉魚大豆卵3~4品が必要ですが、
1500kcalなら、お菓子パン、ごはんなどの炭水化物にも蛋白質が含まれているので、
(1食でなく)1日に、
肉魚大豆卵のうち2品 + 豆乳200ml
で十分でしょう。
あ、それから、以前紹介したこのページのベストアンサーで紹介されていたhttp://wp.w8eq.comというサイトは、このサイト(体重はカロリーだ!)です。
まゆ さんのために書かれているような気がするので、もう一度チェックしてみてください。
先生ありがとうございます
今のままでは(たんぱく質25g)、たんぱく質が少ないという事ですね
たんぱく質が少ない生活はやはり健康に害あるのですね?
私の目標体重が44kgだった場合はたんぱく質は44gまで減らしても大丈夫という事でしょうか?
たんぱく質が少ないと気付き、増やさなきゃと神経質になりたんぱく質の食品を増やしてしまいます。
まゆ さん
> 豆乳コップ一杯、魚1切れ(80g)くらい
で、蛋白質は25gくらいです。
> (「健康」誌2013年2月号に書いた)肉魚大豆製品を2~3品
というのは、
糖尿病の患者さんが糖尿病を治した後に、ふつうの食事で体重を維持していくときにはこれくらい
という量です。それは蛋白質を
肉・魚・大豆・卵・乳製品2~3品から35g、
米・パン・めん類などの穀類から15g(穀類=いわゆる炭水化物にも蛋白質は含まれています)
を摂ってもらい、計50gになることを想定しています。
ダイエット時に、蛋白質を50g摂るためには、
肉・魚・大豆・卵・乳製品が3~4品、
具体的には、
肉または魚100g
豆腐1/2丁
卵1個
牛乳(または豆乳)200ml
を全部食べることが必要で、これだけで500kcalを越えてしまいます。
これから分かるように、
超低カロリー食の600kcalというのは、
通常の食事で(蛋白質製剤などを使わずに)蛋白質を50g摂るのにどうしても必要なカロリーでもあるのです。
さて、雑誌を読んでもらったところから、まゆさんには勉強する気力があると見受けました。
ブログはどうしてもまとまりに欠けるので、
体系的に書いた私の本も読んでもらったほうが結局理解しやすいかもしれません。
一度に読むと消化不良を起こすので無理は禁物ですが、
ゆっくり読んでいくと、考え方の道筋が分かって、
世間で言われていても、しなくてもよいことが多いのはなぜか
自分の生活に合わせてカロリーの低い食事を続ける方法、
などが分かってくると思います。
(前のコメント)
お返事ありがとうございます。
カロリーが極端に低い生活続けても健康に害がないと知り、安心しました。
たんぱく質は最低限摂らないといけないとありますが
私の場合、1日に
豆乳コップ一杯、魚1切れ(80g)くらい、後は野菜類しかとってない事ありますが、これで足りているでしょうか?
健康という雑誌を読ませていただきましたが
そこには1日に、肉魚大豆製品を2~3品取れば大丈夫と書いてありましたが、
私は2品とっている事になるのでこれで大丈夫でしょうか?
たんぱく質、何gといわれてもよくわからなくて…
松田 さん
(コメント欄に書いておられたメールアドレスで返ってきたので、ここに出します)
コメントありがとうございます
いろいろなご質問がありましたが、
ダイエットをするときに、炭水化物、蛋白質、カロリーを
1.できるだけ短期間で元の体重に戻すために、
健康に害がない範囲でどこまで減らしてもよいのか
2.減らした体重を維持するためにはどれくらい摂ればよいのか
の2点にまとめると、あなたが知りたいことにお答えできると思います。
まず、1.短期間ならどこまで減らせるか、の問いについて、
脳が必要とするブドウ糖は80gくらいというのは正しいですが、
その分を炭水化物で摂る必要はありません。
というのは、このブログでもご覧になったと思いますが、
ブドウ糖は、摂取した蛋白質、または体を作っている蛋白質から合成できるからです。
したがって、
> 炭水化物は全く摂らなくても問題ない
ことになります。
> タンパク質は私の目標体重は60kgのため60gくらい
それでOKですが、
なぜ、それだけ必要なのか、というのが大切です。
その答えは、1日に体の蛋白質(体蛋白)がそれくらいずつ壊れていくからです。
もし食物で摂った蛋白質が少なければ、足りなかった分だけ体蛋白が減っていきます。
ですから、とことんカロリーを減らすときでも、これだけは必ず摂らなければなりません。
総カロリーは、日本人なら、600kcalもあれば十分なはずで、
蛋白質60gを(蛋白質製剤などを使わずに)
肉・魚・大豆・卵・乳製品など通常の食品から摂るようにすれば、
だいたいこれくらいのカロリーになります。
(従って、穀類=いわゆる「炭水化物」や油脂類を摂ると600kcalを超えるので、
目標体重に達するのが遅れます)
このような食事で、短期間、といっても、半年位は、全く健康を損ねることなく急速に体重を減らすことは可能です。
(心配なら、「超低カロリー療法 VLCD」でウェブ検索してみてください )
ですから、
> 1000カロリーでも大丈夫なら…あと500カロリー程度
> 基礎代謝量は最低でも摂らないとまずい
どちらも必要ありません。
太った時の基礎代謝は、痩せていた時の全消費カロリーを越えていることがあり、
その場合に太った時の基礎代謝を摂り続ければ、永久に目標体重に達することはありません。
次に、2.減らした体重を維持するためにどれだけ摂るか、の問いには…
炭水化物は0で一生続けられます。
(ページ右上の検索欄に「モンゴル」と入れて検索してください)
蛋白質は、60gでOKです。
総カロリーは、60kgになった時の消費カロリーと同じだけとればよいのですが、
その推定値は上下2割くらいの誤差が出ます。
それは、1500kcalで60kgから太っていく人もいれば、2000kcalで痩せていく人もいることを意味します。
ですから、とりあえず推定値のカロリーを摂って体重を見ながら調整するか、
もう1つは、痩せていた時に食べていた食事のカロリーを参考にして決めるとよいでしょう。
> 1日最低どのくらいのカロリーで生きていけますか?
という問いは、上に述べた
「1.健康を損ねずにどこまで減らせるか?」
「2.減らした体重を維持するカロリーは?」
のどちらか(または両方)の意味だと思いますが、
もし、言葉通りに取るなら…
何も食べなくても、すなわち、摂取カロリーが0でも、数週間は命に別条ありません。
山岳救助隊の人は、
以前は食糧がなくなると、荒天で二重遭難の危険を犯しても救助に出ていたが、
このことが分かったので、今は水さえあれば、無理して救助に出ることはないそうです。
ですから、数週間ならカロリー0で「生きていけ」るので、
> 基礎代謝量は最低でも摂らないとまずい
ことはありません。
こんばんは。
いつも勉強させてもらっております。
松田と申します。
私は23歳の男性で,在宅でのパソコン関係の仕事で日常動くことが少ないです。
そんな私は1日1食ですが,ここ1年くらい食べ過ぎてしまい太りました。
私の場合1日に必要な最低限のカロリーや栄養を知りたいのですが教えてもらえませんか?
炭水化物は1日最低でも80gは摂らないと脳が働かないと,自分なりに調べて分かったのですが,タンパク質もケトン体やらでエネルギー源になりますよね?
その場合はどうなんでしょうか?
タンパク質は私の目標体重は60kgのため60gくらいになるようにしております。
なので私の場合,1日にコンビニのおにぎり2個(炭水化物75g タンパク質10g),肉と魚で合計200g(タンパク質45g),卵1個(タンパク質6g),野菜多め,を摂れば,
炭水化物は100g程度,タンパク質は60g程度採れており,カロリーはちょうど1000カロリー程度です。
これだけ摂れば栄養の面では問題ないと思うのですが,カロリーが1000カロリーと少ないかと思います。
カロリーは基礎代謝量は最低でも摂らないとまずいと思いますが,私の基礎代謝量はおよそ1500カロリーくらいです。
先生はどう思いますか?
1000カロリーでも大丈夫ならこのままでいきたいですが,もしあと500カロリー程度は摂った方がいいなら,タンパク質と炭水化物どちらを摂るのでも構わないのでしょうか?
質問が多くなり申し訳ないですが,1日の必要最低限のカロリーや必要最低限の栄養が知りたいです。
今まで私は炭水化物が太る原因だと思ってましたが間違っていると気づきました。
タンパク質も摂りすぎれば太るのですね。
しかし,タンパク質は体重分摂ればだいたい大丈夫なことは分かりましたが,炭水化物は最低どのくらい摂ればいいのかが分かりません。
先生のこのブログを見ている限り,炭水化物は全く摂らなくても問題ないみたいですが,最低どのくらい摂った方がいいですか?
また,極端な話,1日最低どのくらいのカロリーで生きていけますか?
よろしくお願い申し上げます。
メールで連絡くれると助かります。