蛋白質はブドウ糖の原料、蛋白質には炭水化物と同じカロリーがある、という正しい知識があると、ダイエット・食事療法がとても簡単になる・その3

前々回前回と、ダイエット・食事療法がうまくいかない最大の原因は、
よく知られている蛋白質についての知識の中に、誤りが含まれているからだ、
ということを説明しています。

検索エンジンやブログ・ランキングからこのページに来てくれた人は、
前々回前回の記事を読んでからのほうが理解しやすいと思います。
また、今回の説明も、ダイエットを確実、かつ簡単に行うために必要なので、
図を見ながら、面倒がらずにゆっくり読み進めてください。

今回は、蛋白質を摂り過ぎると、それが体脂肪として貯えられる
ということを説明します。

そのために、それまで蛋白質をちょうど必要量摂っていた人が、

クリックすると別ウィンドウで開きます

図.蛋白質、アミノ酸の代謝
(図をクリックすると別ウィンドウで開きます。見比べながら説明を読んでください)

5.摂取した蛋白質を増やした
(例として上の図でそれまで7.60g/日摂取していたのを、100g/日に増やした)
場合を考えます。
これまで摂っていた量との差を考えることによって、
現在、摂り過ぎているときに起こっていることが、より明らかになるからです。

このとき、(100 - 60 = 40g/日)余分に摂った蛋白質が、
2.合成(蛋白同化)されて、体蛋白として貯蔵できるとよいのですが、
体のしくみはそうなっていません。

体蛋白の約半分は筋肉の中にあり、筋肉を増やせれば、
余分に摂った蛋白質を、体蛋白として蓄えることができます。
ところが、筋肉を増やすためには、
食事から蛋白質を通常の必要量より多く摂る以外に3つのことが必要です。

1) ウェイトトレーニングなどの無酸素運動:
蛋白質を増やすだけで筋肉が増えると運動選手も楽でいいのですが、
現実には、運動をしないと必要な筋肉が増えることはありません。

2) 男性ホルモン:
男性ホルモンには、摂取された蛋白質からできたアミノ酸から
筋肉などのタンパク質を合成(蛋白同化)する働きがあります。
ですから、同じ運動をしても、男性の運動選手は女性選手より
筋肉を多く身に付けることができます。

3) 生まれつきの体形:
同じような運動量でも、元々筋肉が多く付いている、がっちりとした人と
そうでない人がいます。そこから考えると、同じだけ蛋白質を摂り、
同じ運動をしても、筋肉の増え方には差があるかもしれません。

以上のことを考えると、ふつうは 1) 無酸素運動をするという条件が
満たされないので、余分に摂った(上の例では、40g/日の)蛋白質は、
2.合成(タンパク同化)されて、体蛋白が増えることはない、
ということが分かります。そして、

6.分解(糖新生)されてブドウ糖、脂肪とアミノ基になり、さらに、
9.貯蔵されて、体脂肪が増えることになります。

もしこのとき、同時に運動などでカロリーの消費が増えたならば、
できたブドウ糖、脂肪は、水、二酸化炭素に8.分解されて使われます。

しかし、ふつうは、そのような(カロリー消費が増える)ことはないので、
増えた蛋白質のカロリーに相当する量(例では40×4÷9≒20g/日)
の体脂肪が毎日増えていきます。

この、蛋白質からできたブドウ糖、脂肪が水、二酸化炭素に
8.分解されることを強調して、
蛋白質を余分に摂っても体脂肪にならないと主張する人がいますが、
そんな都合の良い話はありません。

それ(水、二酸化炭素に分解されること)は、あくまで、
蛋白摂取量が増加したのと同時にカロリー消費が増えた
という特殊な場合でだけ起こることで、
一般的な(消費カロリーが増えない)状況では、
5.蛋白質の摂取が増えた分は、すべて体脂肪を増やす
ほうに回っていくことに注意してください。

5.摂取した蛋白質の増加によって体脂肪が増える話に戻ります。
体脂肪・体重が増えるにつれて、消費カロリーも増えるので、
体重がいつまでも増え続けるわけではありません。

蛋白質増加で増えた摂取カロリーが、体重増加で増えた消費カロリーと
釣り合う時点で、体重の増加は止まります。
しかし、それまでに計算上、体重は約5kg増えてしまいます。

以上で説明してきたのは、蛋白質の摂取量を増やしたときにどうなるか、
すなわち、(例では)摂取量を40g増やすと体重が5kg増える
ということです。
これを、体重が増えてしまった(今の)時点で考えると、
蛋白質を摂り過ぎていることによって、体重が以前と比べて5kg重くなっている
ことになります。

そして、元の状態に戻しても、つまり、
蛋白質の摂取量を今より40g減らしても、
筋肉量が減るなどの困ったことは何も起こらず、体重だけが減ることが分かります。

具体的な蛋白質の必要量がどのくらいかというのは、
蛋白質はここまで減らせる(蛋白質必要量の正しい解釈)
の記事に書きましたので確かめてみてください。
ここに書いた以上に摂っていた蛋白質は減らして、
そのカロリー分の体重を減らすことができます。

ただし、肉や魚などの蛋白質が好きな人は、
炭水化物を同じカロリー分減らせば、同じだけ体重を減らすことができるので、
そのようにしてもかまいません。

日本人全体としては何十年か前(たぶん30年くらい前)から、
このような蛋白質の摂り過ぎ状態になってきました。
肉や(だけでなく)魚・大豆製品を摂り過ぎて、
体重増加に悩む
ようになったのです。しかし、

  • 蛋白質は、炭水化物と同じだけカロリーがあり、
    (肥満の原因になっているので)必要量まで減らしてもよい

という正しい知識を使って、今からでも体重を減らしていかなければなりません。

次回は、「蛋白質はブドウ糖の原料」のまとめとして、実際のダイエットにどう応用するかを述べます。

コメント / トラックバック11件

  1. […] 蛋白質を多く摂るとその分骨格筋が増えるのならいいが、 骨格筋を増やすためには、無酸素運動が必要で、 さらにそれを効率よく行うために、蛋白同化ステロイドという (スポーツの […]

  2. […] し、糖質や脂質で摂ったカロリーも多くて、消費しきれないときは、 さらに脂肪に作り変えられ、(ブドウ糖を経ないで直接脂肪になることもあります) 体脂肪として貯えます。 もし、 […]

  3. […] として貯えられることになります。(え???と思った人は […]

  4. […] 筋肉には蛋白質が多く含まれていますから、 もし増やすことが […]

  5. taijuuh より:

    たんぱく さん

    コメントありがとうございます。

    ハードなトレーニングを行う人の体脂肪率は実際よりかなり高く出ることがあります。ですから、まず、タニタさんのサイトを見て、できれば「アスリートモード」で体脂肪率を測定されることをお勧めします。

    もし、実際の体脂肪率が書いていただいた数字とあまり変わらなければ、1年たっても太り続けているとのことですから、方針の転換が必要だと思います。

    そのために、少し複雑な蛋白質の代謝についても、このサイトで読んでもらった分だけでなく、このページの右カラムに載せた書籍「メタボ氏のための体重方程式」で、除脂肪組織量その「枠」について、確実な知識を学ばれるとよいと思います。

    そのうえで、総摂取カロリーを生活環境に合わせて減らせば、適切な体脂肪と体重に落ち着いていきます。
    私のサイトで出た「これからの食事」は、アスリート以外で、体脂肪率が正確に測れていることを仮定して計算するので、たんぱくさんには、合わない食事が表示されたかもしれません)

    別のページにも書いたように、頭を使えば良い結果が得られます。
    その意欲をお持ちの人には、協力を惜しみませんので、この欄でお気軽にご質問ください。

  6. たんぱく より:

    大変為になるプログ拝見させていただきました。
    私は身長183cm95kg趣味でウエイトトレーニングを励む32歳男性です。
    私も昨年まで筋肉合成に必要とタンパク質を1日200gくらい取っていました。
    そしたら1年でかなり太ってしまい、(筋肉も増えましたが体脂肪率32%顔周りが特に)尿も近くダルイような日々が続き(やはり個人差もいあると思いますが)タンパク質でも太ると認識し出して、その後1日130g位まで落として摂取していますがそれでも1年で腹囲が5cm位増えました。体調は問題なく良好です。1日2時間週5日かなりハードなトレーニングしてるにも関わらず太り続けています。やはり年齢が32歳と言うこともあり若い時のような筋肉合成の代謝が活発に働くなるということもあるのでしょうか?どうしても筋トレをしているので、なるべくアミノ酸を減らさず(筋肉を落とさず)に体脂肪を落としたいので炭水化物を減らそうと考えてます。
    たとえばハードなトレーニングで失ったグリコーゲンを素早く回復するためにタンパク質から分解されるブドウ糖ではトレーニング後の回復目的には間に合わないのでは?と疑問を持っています。現在はトレーニング中とトレーニング後にブドウ糖を合計40g位取っています。

  7. […] 必要量以上に摂った蛋白質のカロリーが消費されないと、 脂肪とし […]

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