生活習慣病の診療を担当する先生方へ
特に、高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の外来をお持ちの先生がた、
救急医療で心筋梗塞や脳血管障害を多く診られる先生がたへ
体重が減ったときに、
糖尿病だけでなく、
減塩で改善しなかった高血圧や、
コレステロール摂取量を減らしても改善しなかった高コレステロール血症といった生活習慣病が改善した症例をお持ちの先生はいらっしゃるでしょう。
ただ、それが
「運動と食事で体重を減らすように」と伝えた患者さんや、
管理栄養士に食事指導を指示した中での比率となると、
そう多くないと思います。
その原因は、現在行われている生活指導で、
運動や、栄養バランスのとれた食事や、食事時刻を早くするなど、
実行が困難なだけでなく、
実行しても体重・体脂肪が減らないことが勧められているからです。
このブログ「体重はカロリーだ!」で
(また、サイト「体重方程式」、右段下の書籍「メタボ氏のための体重方程式」でも)
主張しているのは、
・実行困難なことが勧められる原因は、
人体についての誤った知識に基づいて実行が簡単なことが禁止されているから、
・体重が減らない原因は、勧められたことを実行しても、
消費カロリーの増え方、摂取カロリーの減り方が少ないから、
ということです。
この2つの誤りを正して、生活習慣病が治る程度にまで摂取カロリーを減らすと、
患者さんの体重が容易、かつ、確実に減らせるようになり、
生活習慣病が改善する患者さんが格段に増えると考えています。
服薬の必要な外来の患者さんや、心筋梗塞などの救急患者さんが減れば、
先生ご自身のQOLが改善するだけなく、
(「あの先生は治してくれる」という評判が立って、
新規患者が増え、総患者数は減らないかもしれませんが、
そのときは「治す充実感」が先生のQOLを上げます)
これからの医療の質を落とさないことにつながるはずです(注:その理由)。
食品のカロリーなど細かい部分は、問題意識を持った管理栄養士や看護師が患者さんを指導するように手配されるとよろしいですし、
また、内容についてご質問は、下のコメント欄からお寄せいただければ、
できるだけ速やかにお返事を差し上げます。
まずは、このページのリンク先(青い文字をクリックしてください)を何ページかご覧いただければと思います。
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注:「患者さんが減ると医療の質が落ちない」理由
「所得 = 収入 - 経費 」
という式は常に成立するので、
国民医療費(医療機関の収入)を増やさなくても、
患者さんを診療するための費用(経費)を減らすことで、
医師の年収(所得)を増やすことができ、①
また、患者さんが減ると、医学部の定員を増やさなくてもよくなるので、②
(①②から)今までどおり優秀な学生を医師にすることができて、
現在の高い医療水準が保てることになります。
giga8plus さん
web に公開する以上、「参考」になさろうと、リンクなさろうと、
管理人に断る必要はないと考えています。
(著作権に注意しながら、どうぞ、お好きになさってください)
ただ、「糖質制限を主体としたブログ」で、このブログを「参考」にすると、
ブログの一貫性はなくなるでしょうね。
このブログは、「糖質制限=とんでもダイエット」という方針で書いているからです。
「糖質制限=とんでもダイエット」から手を引くか、このブログを「参考」にしないか、
どちらかにされた方がいいと思いますが。
突然のメール失礼いたします、静岡県在住のgiga8plusと申します。
実は、私も今後糖質制限を主体としたブログ及びサイトを立ち上げる予定が
あるのですが、その際に、是非とも管理人様のブログの記事を参考資料として
使用させていただけないでしょうか?
理由は、あえて糖質制限食でも減量できない方に向けて「正しいカロリー制限」を
提唱され、朝食悪玉説、運動悪玉説、暴飲暴食善玉説、大食いの人の相関関係など
常識をひっくり返しつつ費用対効果の高い方法を紹介する点に魅力を感じた事と、
何より、食べ物の善悪を決めたり強制させない点や患者様の寿命を最優先にした
多くの医師が見落としがちな姿勢に感銘を受けたのが最大の動機です。
ちなみに、私は元々糖質制限自体を実行していたのですが、適正な運動も入れているのに具合が悪かったり体脂肪が下がらない事があって困っていたところ、
proteism(タンパク質悪玉説の正体)を調べていたら管理人様のブログ及び
著書に出会えたのがきっかけです。
当然、参考にさせていただく以上記事の最後に参考URLを掲載しますし、
管理人様の著書や実績は広告にて広めていきますのでよろしくお願いいたします。
年齢:24歳
twitter:giga8plus
ブログタイトル(予定): 糖質制限主体に健康情報を追求する男のブログ
編集の流れ:so-netから一定期間後ワードプレスに変更予定
お返事がおそくなりました。あけましておめでとうございます。
> XX先生のリンク先は間違いだったとのこと、
> いち 先生が数量的な評価(数値の桁数)を軽視されるのでないことを知り、
> 安心しました。
ダイエットの世界では針小棒大な表現が目立ちます。
夜寝ると「成長ホルモンがグングン出る」とか(笑)。
> (間違いでなく)先生が正しくリンクされたページで、
>> さすがにここまで極端な高タンパク食にすると効果が出るのは、
> 御高見、同じカロリーでも蛋白質の食事性体熱産生が糖質より大きいことによる
> 可能性があると思いますし、
面白い実験ですが、現実味はありませんね。
> この方法は以前、私が患者さんに勧めていたものですが、効果がありませんでした。
> 原因は以下のようなことです。
> 減らす2割の基準である、元々食べていた食事の量がすぐに分からなくなってしまう。
> (我々のふだんの食事量の変動が2割くらいあるので、減らしているのかどうかが、
> 本当に分からなくなります)
> どの食事の、どの料理も、すべて2割ずつ減らすというのが、
> 食べることで得られる満足感の総計を大きく損なう。残す分を取分けるのが面倒。
> なにより食べることができるものを見てしまってから残す分を取分けるのはつらい。
> (せっかく取り分けても、最後に食べてしまうことさえあります)
深く考えられた方法ではないので、そこまで分析されてしまうと反論は出来ないのですが、とにかくバランスよく量を減らせば痩せるという昔からのダイエット方法で好きですが、
食事を二割破棄するなんてことは普通もったいなくて出来ませんし、胃袋が小さくなるというのもどうやら都市伝説のようですし、私を含めてそのまま実行した人は一人もいません。
ただ他のダイエット法よりはまともだなあと(他がエキセントリック過ぎる?)思っています。
結局はいかにカロリーを減らすか(精神的に胃を小さくする?)か、だと思いますが、こちらのHPが王道かと思います。
特に運動をしなくても食事制限だけで体重と体脂肪率を落とせるのですが、見た目を変えたいのでここ一年間筋トレをしています。
いち 先生
お返事をいただき、ありがとうございます。
XX先生のリンク先は間違いだったとのこと、
いち 先生が数量的な評価(数値の桁数)を軽視されるのでないことを知り、
安心しました。
それにつけても、XX先生は、
自分で計算しておきながら、それに見合う以上の体重減少が得られること、
糖欠乏が起きない理由をアミノ酸を原料にした糖新生に求めながら、
同じ糖新生の作用で、過剰に摂取した蛋白質を原料にした体脂肪が増加すること、
および、それによるインスリン抵抗性の増大
をどう考えているのでしょう。
彼のブログのどのページを見ても、自分に都合のいいところだけ、いいとこどりで塗り固めている
(2.2%という数字は無視して、糖質制限食の方が消費カロリーが「多い」ことだけ主張するなど)
ので、しろうとが引っ掛かるのは仕方がないかもしれません。
(間違いでなく)先生が正しくリンクされたページで、
> さすがにここまで極端な高タンパク食にすると効果が出る
のは、御高見、
同じカロリーでも蛋白質の食事性体熱産生が糖質より大きい
ことによる可能性があると思いますし、
この試みの被験者のように、高度の肥満の人たちに効果が出易いことはいわれています。
しかしながら、(拙論が紹介された)昨日発売の雑誌の記者さんのように、
日本人に多いBMI22でも体脂肪率が高く生活習慣病の患者さんでは、
XX先生が計算したように、ほとんど効果は期待できません。
そのほかの私の意見には概ね御賛同いただいたようですが、1つだけ異論を唱えさせていただきます。
> 私の好きなダイエット方法は…です。各論になると色々意見もありますが、
> 「カロリーを減らして慣れろ」というのはオーソドックスだと思います。
この方法は以前、私が患者さんに勧めていたものですが、効果がありませんでした。
原因は以下のようなことです。
減らす2割の基準である、元々食べていた食事の量がすぐに分からなくなってしまう。
(我々のふだんの食事量の変動が2割くらいあるので、減らしているのかどうかが、
本当に分からなくなります)
どの食事の、どの料理も、すべて2割ずつ減らすというのが、
食べることで得られる満足感の総計を大きく損なう。
残す分を取分けるのが面倒。
なにより食べることができるものを見てしまってから残す分を取分けるのはつらい。
(せっかく取り分けても、最後に食べてしまうことさえあります)
まとめると、実際に摂るカロリー量の精度が低いことと、実行時のストレスにより、
減らしたカロリーが続けられなかったから、体重が減らなかったのだと思います。
この経験をもとに、拙著「メタボ氏のための体重方程式」p91と、p.129に、
それぞれ「減らしやすい食事から」「減らしやすい食品の量を減らす」と、
面倒なカロリー計算なしに、摂取カロリー量の精度が保たれ、ストレスも少ないことを論じています。
また、人間は誘惑に弱いので、元の食事を残すより、始めから少ない食事にした方が失敗が少ないことも、同書p.39に述べています。
一度ご高覧いただければ幸いです。
また、「体重方程式」のサイトで、それを応用して、その人に合った減食法を提案するプログラムを公開しています。
お試しください。
さらに、ご意見をお待ちしております。
コメントありがとうございます。
> 夜食の分のカロリーが減ったから痩せただけ
> 簡単にダイエットが出来るほどの新理論は出現していないとのお言葉は、まさに私が考えているとおりのものです。
既出とは思いますが、「夜早く寝ると何とか遺伝子が活性化してor/and成長ホルモンの分泌が増えるから太らない」という説よりも単純「早く寝ると夜食(過剰なカロリー)を摂らなくてすむから太らない」と考えた方がよいと思います。実際、多くの例はそれで説明がつきますね。
慨して朝は食欲がない人が多いので、早寝早起きの方がダイエットにはいいですね。
>カロリーは、通常の食事なら、その多くを炭水化物から摂っているという人が多いと思います。
その炭水化物が制限され、蛋白質・脂肪だけの食事となると、たちまち、「今日の昼食には何を食べればいい?」ということになると思います。
たしかに、毎日おでんに豆腐、納豆、焼肉では飽きてしまいそうです。
>そのような状況で、結果的に、摂取カロリーが減り…
体重が減るだけ、というのが、私の考えるところです。
なるほど。考えてみたらその通りと思います。
>実際、炭水化物制限食で体重が減らない人がいますが、もともと酒の肴など蛋白質が好きで、炭水化物が少ないうえに炭水化物を減らした分だけ、制限されていない蛋白質を摂って総摂取カロリーに何ら差がないことによると考えられます。
そうなんですね。
私を含め、私のまわりでは炭水化物(主食、お菓子類)が好きで肥満になってしまった人が多く、そういう人が例えば夕食のご飯を止めて豆腐などにすると非常に早く痩せていくようです。
ただ、炭水化物の誘惑は強力で、痩せてからリバウンドしてしまう人も見かけます。
私の好きなダイエット方法は
http://diet.goo.ne.jp/member/howto/re0910_no1/01.html
です。各論になると色々意見もありますが、「カロリーを減らして慣れろ」というのはオーソドックスだと思います。
>同誌2月号(12月28日=明日発売)の記事になりますので、
よろしければ書店でご覧ください。
ぜひ拝読します。
> 「食事誘発熱産生」
(または、特異動的作用)については、
もともと、それで消費されるカロリーは少なく、(例)リンクされたブログでのXX先生の自己評価ささやかだけどダイエットに有利
のとおりで、成功例の大幅な体重減少を説明できるほどのカロリー量ではなく、上記、食事を摂りにくいことで摂取カロリー減っただけと考えております。
すみません、リンクしたHPを間違えていました。
http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/12/03/0324.html
さすがにここまで極端な高タンパク食にすると効果が出るようです。
しかし、減量してからの体重維持はオーソドックスにやらないと身体壊しそうですね。
>「食事誘発熱産生」については、たまたま、今月の記事で話題にして、ダイエット法の有効性には量的な検討が必要なことを論じるつもりでしたので、いずれご覧いただければ幸いです。
楽しみにしております。
前回引用してしまった炭水化物ダイエットのHPによると、あれだけ炭水化物を絞っても2.2%(2000Kcalなら44Kcal)しか違わないわけですね。
それならせんべい一枚を我慢して普通のバランスの食事を食べた方が良いです(私は)。
先生の指摘されるように「低炭水化物ダイエット」は実際には「低カロリー食」なのでしょうね。
高齢者がマネをして腎不全(CKD)を悪化させないことを祈るばかりです。
いち 先生
拙論へのご賛同ありがとうございます。
> 夜食の分のカロリーが減ったから痩せただけ
> 簡単にダイエットが出来るほどの新理論は出現していない
とのお言葉は、まさに私が考えているとおりのものです。
さて、
> 「炭水化物制限食」
についても、事はまったく同様(新理論ではない)と考えています。
カロリーは、通常の食事なら、その多くを炭水化物から摂っている
という人が多いと思います。
その炭水化物が制限され、蛋白質・脂肪だけの食事となると、たちまち、
「今日の昼食には何を食べればいい?」
ということになると思います。
(この季節なら、コンビニのおでんとか、おつまみメニューくらいでしょうか)
そのような状況で、結果的に、摂取カロリーが減り…
体重が減るだけ、
というのが、私の考えるところです。
実際、炭水化物制限食で体重が減らない人がいますが、
もともと酒の肴など蛋白質が好きで、炭水化物が少ないうえに、
炭水化物を減らした分だけ、制限されていない蛋白質を摂って
総摂取カロリーに何ら差がない
ことによると考えられます。
一方、もともと炭水化物が好きな人は、炭水化物制限を続けられなくなり、
人は、自分の失敗を公言しにくいものなので、
効いた、効いた、の声ばかりが残っているのだと考えています。
この辺りは、先日、「健康」と言う雑誌の記者さんが経験されたところで、
同誌2月号(12月28日=明日発売)の記事になりますので、
よろしければ書店でご覧ください。
> 「食事誘発熱産生」
(または、特異動的作用)
については、
もともと、それで消費されるカロリーは少なく、(例)
リンクされたブログでのXX先生の自己評価
> ささやかだけどダイエットに有利
のとおりで、成功例の大幅な体重減少を説明できるほどのカロリー量ではなく、上記、
食事を摂りにくいことで摂取カロリー減っただけ
と考えております。
「食事誘発熱産生」については、たまたま、今月の記事で話題にして、
ダイエット法の有効性には量的な検討が必要なこと
を論じるつもりでしたので、いずれご覧いただければ幸いです。
以上、思いのまま、自論を申し述べましたので、
いち 先生からも、忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。
よろしくお願い致します。
内科医をしている者です。
間違ったダイエット方法が蔓延するなか、(失礼ながら)自分の考えに非常に近いこちらのHPを拝見し、感銘を受けました。
恥ずかしながら私自身がそうでしたが、「夜食を止めたら痩せた、だから寝る前に食事すると太るのだ」と短絡的に考えてしまう人の多いこと、実際は夜食の分のカロリーが減ったから痩せただけなのですよね。とにかくカロリーさえ減らせば痩せるだけのことですね。つぎつぎ出てくるダイエット論文ももしそれが真実だとしても代謝のごくごく一部をレギュレートしているだけの可能性が高く、それだけで簡単にダイエットが出来るほどの新理論は出現していないと思います。
以前あれだけもてはやされた分割食(朝食をガッチリとる等)や低GI食についても、最近はテレビに出てくる健康自慢の名医たち(?)が「自分は朝食抜きの一日1~2食だ」と告白し出しています。「朝食を食べないと学校の成績が落ちる」という研究がありましたが、血糖の問題ではないように思います。
最近の人気は「炭水化物制限食」のようですね。
まわりでやっている人が何人もいますが、たしかに体重は減るようです。カロリーはそのままで肉や豆腐のたんぱく質でお腹を満たす方法で、「食事誘発熱産生」
を利用していると思いますが、これについてはいかがでしょうか?