医師が、食事療法を生活習慣病の重要な治療法として認めるためには、確実にカロリーを減らす必要がある (体重を計るだけで体重が減ることはない)

(1日に何度も)体重を計るだけ、というダイエット法に従って、

   ・ 「できるだけ」体を動かして、余分な間食などを摂らない、

ようにしていても、一定の期間後に体重がどれだけ減るかは分かりません。

それは、1日に何度体重を計っても、
測った体重と、カロリーの出入り(すなわち脂肪組織の増減)との関連が薄いことや、
運動後の間食など、かえって体重を増やすこともしてしまう(試行錯誤する)ことによります。

たとえ、3kgでも5kgでも、始めより減っていればそれでよい、であるとか、
3kg減っただけでたまたま血圧が正常になった(そういう人は必ずいます)、
ということでよければそれでかまいません。

しかし、カロリーの減らし方が足りなくて生活習慣病が治らないときには、薬をのみ続けなければなりません。
脂質異常症(高脂血症)が見つかってから体重を減らし始め、10kg減った時点でも検査値は下がらなかったが、さらにあと5kg減らすと正常になり薬をのまなくてもよくなった、という症例がありました。
中途半端な減らし方をして挫折されていたら、2度目に食事療法を勧めても、取り組んでもらえなかっただろうと思います。そうならないために、最初に十分カロリーを減らしておくことが大切です。
(目標に達する前に生活習慣病が治ったときは、そのときの体重が維持できるカロリーまで増やせばいいのですから)

反対に、そのダイエット法が言うように、体重を減らすのが「気持ちよく」なってきたときには、(体重がよく減るので)蛋白質を減らし過ぎて体調を崩したり、水分を制限して、熱中症や脳卒中の危険を増したりすることになります。
(どれだけ警告していても、調子がついてきたときには事故は起こるものです)

(あの)トヨタ自動車が製品を作るときの考え方の1つとして、
検品は無駄、すなわち、
規定どおりにできているか確かめても(お金になる)製品ができるわけではない、
その手間を使って始めから不良品を作らないように製造手順を改善することを考える、
というのがあるのだそうです。

その考え方に従うと、体重をいくら測っても(検品)、それで体重が減る(製品ができる)ことはありません。
「体重はカロリー」ですから、

  • 始めから確実に生活習慣病が治るだけのカロリーを減らし、
    容易に実行する方法を考える

(製造手順を改善する)、ということになります。

コメント / トラックバック1件

  1. […] 「計るだけダイエット」の成果が残念な水準にとどまっているのも、 […]


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