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蛋白質が肥満の原因という知識はまだ知られていないが、「脂肪が肥満の原因」から「炭水化物(糖質)が原因」に変わってきたから、いずれ広まって肥満人口は減少し始めるはず

この1年くらいの間に、ご飯や麺類などの炭水化物を減らしている、
という生活習慣病の患者さんによく会います。
その動きについて、先日、肥満学会での発表の際に、
肥満~生活習慣病の治療や指導に携わる各種の専門家と話し合う機会がありました。

医師の間では、生活習慣病を治すために炭水化物(=糖質)を減らすという
糖質制限食」が興味の対象になっていて、患者さんたちと歩調が合っていたようです。

その理由は、医師が栄養や食事については、真の専門家ではなく、
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食事療法・ダイエットを始めるためには、費用が少ない、すなわち、容易に実行できることが重要。体重減少や病気の予防といった効果のほうが強調されると、かえって食事療法から遠ざかってしまう

今行われている
高血圧脂質異常症糖尿病など生活習慣病の食事療法には、
いろいろなストレスが付いてきます。

お腹が空くこと、
暴飲暴食間食ができないこと
カロリー計算で手間が掛かること
体重測定や検査で、思ったほど体重が減らず、検査値が改善していないこと

によるストレスだけでなく、前回の記事で述べた、

食事や体重を減らすことそのものへの恐怖

も食事療法を敬遠する障壁になっています。

(これらのストレスの解決法は、それぞれのリンク先に述べてあります)

 

これを乗り越えてもらうために、

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ダイエット・食事療法は、少ない費用で大きな効果を出す方法を実行しないと、健康を損ねることになる。そのために正しい知識を身に付けるための費用は少し掛かる

今回は、ダイエット・食事療法に掛ける費用と、それによって得る効果について考えます。

ダイエットにおける費用とは、それを実行したときどれだけつらく感じるかだと思ってください。効果は、言うまでもなく一定期間に減る体重です。

ダイエットの費用は、効果に比例する分より小さくなければならない

ダイエットの効果、すなわち体重の減り方は、減らしたカロリーに比例します
しかし、費用、つまりカロリーを減らした時のつらさは、

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言葉という「記号」をうまく使えば、食欲やエネルギー消費を増やす薬の研究をしなくても、生活習慣病にかかる医療費を大幅に減らすことができる(言語も薬も、わずかな量で大きな作用をする記号だという点では同じ)

ホルモン、空腹感、言葉。
これらには共通して「記号 (symbol シンボル)」という言葉で表される働きがあります。
記号とは、

 わずかな大きさや量にもかかわらず、
 大きな働きをする
 物体や物質や情報

のことです。
そして、その記号が使われているものの形や性質(例えば体重)を大きく左右します。

いくつか例をあげましょう。
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空腹感・食欲は生存という目的のために存在する手段、という誤った見方を正せば、その扱いが楽になる。(因果論に基づいた、食欲は物質や脳の回路の働きでおこる、という考えが正しい)

空腹感を抑える薬がほしいという患者さんがいます。

食欲を抑制する薬がないわけではありませんが、副作用があったり、習慣性があったりで、積極的に使おうという医師は多くありません。

また、空腹感が起こりにくいようにするためのいろいろな方法は、かえって挫折の原因になるので、むしろ何もしないほうがよい、ということは別の記事で述べました。(青色の文字をクリックしてください)

ただ、その要望が出る背景には、空腹そのものによるつらさではなく、

  「空腹感を放置すると、脳が使うエネルギーが不足して、ひどくなると意識がなくなる」

といった、誤った話からくる恐怖があるはずです。

今回は、この誤った話が受け入れられる、さらなる背景、すなわち、

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保健指導を行う専門家の能力が劣っていることを指摘しても、自分の病気が良くなることはない。結果を出すためには、自分の頭を働かせることが必要。

今回は、専門家・玄人の能力をどう使うと自分の目的を実現できるか、
という話をします。

特定保健指導(メタボ健診のあとに行う生活指導)のカリキュラムを見直して、
このブログで蛋白質について書いてきたことを取り入れようとしたのですが、
指導を行う管理栄養士や保健師には必要な知識でも、指導される人に果たしてこれだけ高度な内容が必要か、と考えたことがきっかけです。

その内容とは、

などです。

で、結局、
保健指導を受ける人のなかで、意欲のある人が病気を治すきっかけをつかみやすいように、
できるだけ分かりやすい形で伝えることに決めました。
この結論になるまでに考えたことは、こうです。

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脂質異常症(高LDLコレステロール血症)も、食事の量を減らしただけで治る (卵や肉を減らすよりも効果が高いし、薬を飲み続けるよりも負担が少ない)

現在、医師の間では、
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高いときには、
食事療法はあまり効果がない、ということになっています。

しかし、上がる原因についての視点を少し変えるだけで、
食事だけでLDLコレステロールを下げることができるので、
今回はその方法について書きます。

その前に、食事療法は効果がない、という医師たちの評価がなぜできたか
を見ておきましょう。

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高血圧が治らなかったのは、薬の効果が確実で費用も安かったことが大きな原因 (ところが、この方法を続けるとこれからの医療が破綻してしまうから、食事で治さないといけない)

血圧が高いまま放っておくと、脳卒中や心筋梗塞になりやすい、
ということはよく知られています。ところが、

「高血圧の薬を飲んでいる人と、飲まないで血圧が高いまま放っている人では、
 どちらが長生きしているか?」

という質問には、間違った答えをする人がいます。正解は、

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生活習慣病が治らなかった原因・その1(医師や学会の指導方針は、今までの行きがかりもあって、効果があって容易に実行できるカロリー減少方法には目が向いていない)

高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などの生活習慣病は、
体脂肪(内臓脂肪)を減らすと治る、
というのがメタボリックのシンドロームの元々の概念です。
このブログにも書いてきたとおり、
カロリーを減らすと体脂肪・体重が減って生活習慣病の患者さんが治る
ことはしばしばあります。

しかし、多数の医師にとって、
生活習慣病は、治る病気だとは思われていません。
そう思うに至ったのは、
現在行われている生活指導、食事療法の(惨めな)結果を見た
からに違いありません。

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お腹が空いたとき、または、空かないようにするためには、どうすればよいか? その2。(いろいろやり方はあるが、こだわり過ぎると反って挫折の原因になる)

前回は、お腹が空いても、体蛋白からブドウ糖を作れるから、
(意識がなくなるほど)重篤な低血糖は起こらない
だから、何もしなくて大丈夫、という話をしました。

ただ、まれに、糖尿病の薬を使っていなくても、食事を減らして数時間たつと、
動悸がして冷や汗が出て手が震える、という低血糖の症状が出る人がいます。

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