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早い時刻に食べて、脂肪の合成を促進するBMAL1が働かないようにしても、体重が減らない理由

このブログでは、

  夜間でも、食べた栄養の吸収率が高まることはない
  夜間でも、人間は多くのエネルギーを消費している
  従って、夜遅くに(同じものを)食べたからといって、
  それで体重が増えることはないから、ダイエットをあきらめる必要はない

ことを述べてきました。しかし、

  夜遅い時刻に食べると(同じものを早い時刻に食べるより)体重が増える
  その原因は、脂肪合成を促進するBMAL1という物質が夜間に増えるためである

と言っている人たちがいて、ダイエットを挫折しやすくしています
(夕食を減らすのはつらい、という人が多いからです)

今回は、この主張が誤りであることを論じます。
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平均を見るとダイエット・食事療法に不要なことが分かり、個性に注目すると実行に必要なことが分かる(ただし注目すべき個性はそう多くない)

ダイエット・食事療法を実行するときに、平均という考え方ががおおいに役立ちます。

平均値だけで、ダイエットに効果がない方法が分かる

まず、物事を大まかに把握するときに平均値は不可欠な数値です。
ダイエットの分野でも、平均値を見るだけで、次のことが直ちに分かります。

・ カロリーの吸収率はどのような条件でも平均するとほぼ100%だから、
  夕食が遅くても、吸収率が高まって太ることはない
  (早い時刻に摂っても体重は減らない)

・ 人間は、じっとしていても使うカロリー(基礎代謝)が
  平均すると全消費カロリーの6~8割を占めていて、運動をしてもあまり増えない

  (毎日30分歩きつづけても体重は5%以上減ることはない)

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空腹感・食欲は生存という目的のために存在する手段、という誤った見方を正せば、その扱いが楽になる。(因果論に基づいた、食欲は物質や脳の回路の働きでおこる、という考えが正しい)

空腹感を抑える薬がほしいという患者さんがいます。

食欲を抑制する薬がないわけではありませんが、副作用があったり、習慣性があったりで、積極的に使おうという医師は多くありません。

また、空腹感が起こりにくいようにするためのいろいろな方法は、かえって挫折の原因になるので、むしろ何もしないほうがよい、ということは別の記事で述べました。(青色の文字をクリックしてください)

ただ、その要望が出る背景には、空腹そのものによるつらさではなく、

  「空腹感を放置すると、脳が使うエネルギーが不足して、ひどくなると意識がなくなる」

といった、誤った話からくる恐怖があるはずです。

今回は、この誤った話が受け入れられる、さらなる背景、すなわち、

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