ダイエット中、食べ過ぎたときにどうするか?
という問いには、
「何もしない」、
というのが正解です。
(お腹が空いたときにも「何もしない」のが正解なのと同じです)
理由を説明するために食べ過ぎの例を挙げましょう。
毎年、お盆や年末年始などの季節に「食べ過ぎ」が続いて、
その時期に体重が2~3kg増えるという人のことを考えてみてください。
そういう時期は1年のうち数週間あるかもしれませんが、
その期間が過ぎると体重は元に戻ってきます。
数週間という、1年のうちでは短い期間の体重増加が問題になるというのは、
本来おかしなことです。
それは、体重が今より15kg少ないとき(自分が減らしたい数字で考えてください)
のことを考えると分かります。その時期だけ3kg増えても、
しばらくすると元の15kg少ない体重で過ごせるならば、
気に病むことはないはずだからです。
問題は、1年のうちで見ると限られた期間に少し体重が増えることではなく、
ふだんの体重が重いことなのです。
何年か前までは、お盆や正月のまえに、糖尿病外来の患者さんたちに、
「食べ過ぎないようにね」
と言っていました。患者さんたちも、
「はい、気をつけます」
と言ってくれるのですが、実際には、ご想像のとおりでした。
ふだんの体重が問題だと気付いてからは、
実現しないことを言い続けると、「狼医者(狼少年のもじりです)」になって、
いざというとき患者さんにいうことを聞いてもらえなくなると困るので、
その言葉を口にしないようにしています。
食べ過ぎの別の例として、社会的な暴飲暴食の機会、すなわち冠婚葬祭などの
行事に伴う飲食についても考えておきます。
人間は、「社会的動物」なのでその集まりのときに楽しいと感じます。
そして、あれだけ楽しかったのだから、
きっと大量のカロリーを摂ってしまったに違いない、と後ろめたく感じます。
ところが、月に2回の暴飲暴食で、ふだんより1000kcal多く摂っても、そのカロリーは1ヵ月の全摂取カロリーの5%以下にしかならない人が多いです。
摂取カロリーのほとんどは、ふだんの食事から摂っているのです。
目標の体重は、暴飲暴食の機会を全部なくすだけで得られることはまずありません(摂取カロリーの5%以下しか減らせないので)。
実現のためには、「摂るカロリー」でなく、今の食事から「減らすカロリー」を考えることが必要です。
また、減らしたカロリーを元に戻すと体重も元に戻るので、
「ダイエット期間中は暴飲暴食を控え」て減らした体重を維持するためには、
これから一生社会的な行事を避けていかなければなりません。
(ふだんの食事でカロリーを減らしておけばその必要はありません)
お盆の例や、冠婚葬祭の例からわかることは、
ふだんの食事でカロリーを減らしておけば、たまに食べ過ぎることがあっても
(それがお盆など一定の期間続くときでさえ、ましてや、さっきの食事ぐらいでは)
「何もしなくてよい」ということです。
それだけではありません。
ダイエットの場合は「何かしてはいけない」のです。なぜなら、
「次の食事は軽いもので済ませてカロリーを減らす」
ようなことをすると、食べ過ぎて後悔しているところへ、
次の食事を減らしたつらさが加わり、
そのストレスが、また次の過食を生むという悪循環になることがあるからです。
このページに書いたことだけでなく、
夕食を減らしても長続きしない原因
(夜中には理性がなくなるので、お腹が空くと食べてしまう)
など、自分(だけでなく皆)の弱いところを知った上で、
それに対する段取りをしておくのが、おとなというものです。
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