食べる順番ダイエットでは、体重は減らない。原理が同じ低インスリンダイエットも効果がなかったが、その原因は、体に出入りする物質を確かめていくと判明する。

「食べる順番ダイエット」といって、

  食物繊維から順に食べると血糖値が上がらず、インスリンが出ないので体重が減る

という原理を主張するダイエット法が出ています。

この原理は、10年ほど前に出た、「低インスリンダイエット」と同じものですが、
低インスリンダイエットは、(浜の真砂ほどもある)とんでもダイエットの中では、
比較的早く廃れました。

その理由は、
続きを読む…»

食事療法の基本が、糖質制限食ではなく、カロリー制限食であることを納得させるためには、適切な手続きを経た、このブログの方法でカロリー制限食の弱点を克服した研究を行うしかない

このブログのある記事は、論拠が不十分だ、
という意見を、ある運動愛好家のSNSでもらったので、
私のほうからも意見を述べました。
書いているうちに、

  私が原理としているカロリー制限食が置かれている危うい立場と、
  それを克服する方法

が分かってきたので、今回の記事にします。

―――――(以下、SNSでの私の意見)―――――

○○○○さん、

続きを読む…»

食事誘発性熱産生の体重への影響は無視してよい理由。このように効果が無い方法が唱えられるのは、生物学・医学が発達してきた経緯によるが、「どの食事の量を減らしても体に悪くないし効果がある」ことを理解すれば、体重を減らすのは簡単

食べた後に、基礎代謝(じっとしていても消費するカロリー)が増える現象があり、

  「食事誘発性熱産生」(「特異動的作用」という言葉も同じ意味です)

と呼ばれています。
この現象があるために、

  同じカロリーでも、3食抜かずに食べたほうが、消費カロリーが増えて体重が減る

といわれるのですが、果たしてその効果はどれだけあるのでしょう? 続きを読む…»

「蛋白質は体を作る原料」という思い込みが、「蛋白質が肥満の原因」であることを分かりにくくしている。ただ、思い込みが排されて病気の原因が判明した例も多いので悲観的にならなくてもよい

先日、

「のどがおかしい」

という40代女性の患者さんがいました。
ん? 咽頭炎(のどの炎症)の疑いで耳鼻いんこう科へ紹介か、
などと思いながら、さらに聞くと、

「このところ、魚の骨が のど に刺さるようになった。
 今までそんなことはなかった、私の のど はどうなってしまったのか」

と言うのです。
これは、耳鼻いんこう科じゃなくて眼科の紹介だ、と判断したのですが、
その理由は … 分かりますよね?

続きを読む…»

蛋白質が肥満の原因という知識はまだ知られていないが、「脂肪が肥満の原因」から「炭水化物(糖質)が原因」に変わってきたから、いずれ広まって肥満人口は減少し始めるはず

この1年くらいの間に、ご飯や麺類などの炭水化物を減らしている、
という生活習慣病の患者さんによく会います。
その動きについて、先日、肥満学会での発表の際に、
肥満~生活習慣病の治療や指導に携わる各種の専門家と話し合う機会がありました。

医師の間では、生活習慣病を治すために炭水化物(=糖質)を減らすという
糖質制限食」が興味の対象になっていて、患者さんたちと歩調が合っていたようです。

その理由は、医師が栄養や食事については、真の専門家ではなく、
続きを読む…»

食事療法・ダイエットを始めるためには、費用が少ない、すなわち、容易に実行できることが重要。体重減少や病気の予防といった効果のほうが強調されると、かえって食事療法から遠ざかってしまう

今行われている
高血圧脂質異常症糖尿病など生活習慣病の食事療法には、
いろいろなストレスが付いてきます。

お腹が空くこと、
暴飲暴食間食ができないこと
カロリー計算で手間が掛かること
体重測定や検査で、思ったほど体重が減らず、検査値が改善していないこと

によるストレスだけでなく、前回の記事で述べた、

食事や体重を減らすことそのものへの恐怖

も食事療法を敬遠する障壁になっています。

(これらのストレスの解決法は、それぞれのリンク先に述べてあります)

 

これを乗り越えてもらうために、

続きを読む…»

体重が減らないのは、飢えへの恐怖が、容易で有効な手段を阻んでいることが原因

体重が減らない原因は、誤った知識で十分にカロリーが減らせていないからです。
その誤った知識の背景には、食事を減らすことや体重が減ることへの恐怖があります。

今回は、その恐怖から自由になり、体重を思いどおりに減らせることを目指して、
誤った知識(1~7)を、それが生じて来た恐怖の種類(1~3)に分けて述べます。

恐怖1.食事を減らすと起こる(現実にはない)弊害を恐れる

食事から摂る栄養・カロリーを減らすと体に害がある、
と思うと、おっかなびっくりになり、十分に食事の量・カロリーを減らせなくなります。
続きを読む…»

エネルギー保存の法則で、ダイエットの失敗を防ぐことができる(蛋白質の摂り過ぎや、やみくもな運動はエネルギー量を検討すればできなくなる)

前回は、
脂肪の合成速度を増減させるしくみを研究しても、肥満を減らすのに役立たない、
それは、エネルギー保存の法則で考えると分かる、
という話をしました。 

今回も、エネルギー保存の法則を使って、今まで曖昧だったことをくっきりさせ、
ダイエットの成功に役立つ話を2つします。 

エネルギー保存の法則について考えるときには、
続きを読む…»

早い時刻に食べて、脂肪の合成を促進するBMAL1が働かないようにしても、体重が減らない理由

このブログでは、

  夜間でも、食べた栄養の吸収率が高まることはない
  夜間でも、人間は多くのエネルギーを消費している
  従って、夜遅くに(同じものを)食べたからといって、
  それで体重が増えることはないから、ダイエットをあきらめる必要はない

ことを述べてきました。しかし、

  夜遅い時刻に食べると(同じものを早い時刻に食べるより)体重が増える
  その原因は、脂肪合成を促進するBMAL1という物質が夜間に増えるためである

と言っている人たちがいて、ダイエットを挫折しやすくしています
(夕食を減らすのはつらい、という人が多いからです)

今回は、この主張が誤りであることを論じます。
続きを読む…»

食事療法の摂取エネルギーを、いわゆる「隠れ肥満」と「太りやすい体質」を考慮して求める方法

…という演題の発表を、糖尿病学会でしてきました。

摂取エネルギー(カロリー)を、
1) BMI法でなく、体脂肪率を使い、
2) 摂るカロリーではなく、今摂っている食事から減らすカロリーを計算して
決めると、従来の食事療法で改善しない患者さんにも糖尿病が治るチャンスがある、

という内容です。

この方法は、糖尿病の患者さんだけでなく、
いわゆる隠れ肥満やポッコリお腹の人、
カロリー計算を真面目に実行しても効果がない人の状況も
確実に改善させ、体重を減らします。
続きを読む…»