体重の減り方は、時間がたつに連れてだんだん少なくなる。それは、始めはあまり効果が現れないが、ある時期が来ると解決に向かって一気に進む、というよくあるパターンとは異なる

「体重が減らない」という検索語でこのブログにやってくる人が多いです。
ひどいときには、「体重が減るダイエット」という検索語で来る人までいます。
これを見ると、世の中にどれだけ効果がないダイエット法が横行しているのか分かります。

図.時間と体重1:一気に解決型
【図.時間と体重1-一気に解決型】

その原因については、このブログでもいろいろ書いたので、読んでください。

体重が減らないダイエット法を提唱している人の中にも、自分の方法では体重が減らないと気付いている人がいるようです。
それは、あるダイエット法のサイトに、日にちがたつと体重がどう減っていくかというグラフが掲げられていたからです。

「一気に解決型」のグラフはウソ

そのグラフには、始めはあまり体重が減らないが、一定期間が過ぎると急に減り始めて、目的の体重に達する様子が描かれていました。このグラフを見てそんなものかと思った人は、次のことがあるからでしょう。
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自然の法則が分かれば、ダイエットは極めて容易になる。法則を理解せずに失敗するのは自分の責任

初診の、(体重が重い)患者さんに、

「先生の仰ることが今まで聞いてきたのとは反対なのに、本当かもしれない
 と思える。それは、根拠に説得力があるからだと思う」
と言われました。ところが、続きがあって、

「ただ、今までと反対のことを幾つも聞くので、お話が難しいと感じてしまう」

とのことでした。

難しくなる原因は2つ

このブログや私の著書も難しいという評価をいつも受けていて、
その原因の一つは、この患者さんが言うように、
現在の常識と違ったことばかり書いてあるから、と私自身は把握しています。
そのために、現在の常識では現実の出来事が説明できない事例を蓄えて、
患者さんに納得してもらえるよう努めています。

話が難しくなるもう一つ原因は、
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平均を見るとダイエット・食事療法に不要なことが分かり、個性に注目すると実行に必要なことが分かる(ただし注目すべき個性はそう多くない)

ダイエット・食事療法を実行するときに、平均という考え方ががおおいに役立ちます。

平均値だけで、ダイエットに効果がない方法が分かる

まず、物事を大まかに把握するときに平均値は不可欠な数値です。
ダイエットの分野でも、平均値を見るだけで、次のことが直ちに分かります。

・ カロリーの吸収率はどのような条件でも平均するとほぼ100%だから、
  夕食が遅くても、吸収率が高まって太ることはない
  (早い時刻に摂っても体重は減らない)

・ 人間は、じっとしていても使うカロリー(基礎代謝)が
  平均すると全消費カロリーの6~8割を占めていて、運動をしてもあまり増えない

  (毎日30分歩きつづけても体重は5%以上減ることはない)

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運動しても体重が減らない原因は、消費カロリーが増えないから。希望どおりに体重を減らすなら、食事からの摂取カロリーを計算して減らす

運動しても体重が減らない人が多いです。
別に不思議なことではなくて、運動で使うカロリーは本来少ないものだからです。

人間は基礎代謝が大きいから、運動しても消費カロリーが増えにくい

人間は恒温動物ですから、体を動かさなくても
体温を一定に保つために多くのカロリーを使っています。
これを基礎代謝といい、全消費カロリーの7~8割になる人が多いです。
したがって、日常活動で使うカロリーは、残りの2~3割にしかなりません。

このようなカロリー消費のしかたをする(恒温動物である)人間が、
かなり長時間歩いても、図1下段の例のように、
カロリー消費量はそれほど増えません。
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ダイエット・食事療法が失敗する最大の原因は、蛋白質がブドウ糖に変わることを知らないこと(これが分かると、確実、容易に成果を上げることができる)

ダイエット・食事療法が失敗するのは、

  人間の体は蛋白質を糖質(ブドウ糖)に変える

ことを知らないのが最大の原因です。
これを知らないことから、

1.空腹感は、血液中のブドウ糖が少なくなっている信号なので、
  放っておくと脳や体の働きが悪くなる

2.蛋白質は筋肉や血液など体を作っている栄養素だから、減らしてはいけない

という2つの誤りが生じ、
それがダイエットの実行を難しくし、効果をなくしているのです。
正しい知識は次のとおりです。

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ダイエット・食事療法は、少ない費用で大きな効果を出す方法を実行しないと、健康を損ねることになる。そのために正しい知識を身に付けるための費用は少し掛かる

今回は、ダイエット・食事療法に掛ける費用と、それによって得る効果について考えます。

ダイエットにおける費用とは、それを実行したときどれだけつらく感じるかだと思ってください。効果は、言うまでもなく一定期間に減る体重です。

ダイエットの費用は、効果に比例する分より小さくなければならない

ダイエットの効果、すなわち体重の減り方は、減らしたカロリーに比例します
しかし、費用、つまりカロリーを減らした時のつらさは、

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必要な知識を学んだうえで全体を見るようにすれば、ダイエットの実行は簡単。ただし、必要な知識には、今まで聞いたことがなかった内容もあるので、学ぼうとする努力は問われる

高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病の患者さんに、

「病気を改善するために、まず何をしようと思いますか?」

という質問をします。
すると、ほとんどの場合には、

「できる範囲で運動」、「暴飲暴食、間食、アルコール、油っこい食品を減らす」、

という、誤った答えが返ってきます。
(患者さんの病状や生活環境を考えるとその答えが正しい場合もあるが、まれです)

誤った原因に共通しているのは、細かいことにとらわれたこと

誤った原因は次の2つです。

1.消費カロリーの大部分は基礎代謝で、じっとしていてもカロリーは
  多く使われている
2.摂取カロリーの大部分はふだんの3度の食事で、カロリーが高くない食品から
  摂っている

これらの原因には、

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摂取カロリー量は、生活習慣病を治す効果が最大になるよう、十分に減らさなければならない。十分に減らしても、正しい知識があれば、実行時のつらさや弊害を減らすことができる

前回の記事で、生活習慣病を治すためには、
カロリーを減らす方向に生活習慣を変えなければいけないのに、
今まで良しとされて、勧められてきた習慣は、
むしろカロリーを増やす原因であったことを述べました。

今回は、カロリーを減らすときに、減らす量をどのようにして決めるかを検討します。

効果の大きさには3段階ある

まず、生活習慣病を治すだけでなく、どのような手段にでも当てはまる量の決め方として、
次の3段階のものを考えます。

1.効果が出始める最小量

2.これ以上は効果が出ない最大量

3.1.と2.の中間の量

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「食べ過ぎ病」は、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病の原因と対策をよく表している言葉なので、「生活習慣病」に代えて使うとよい

かつて、成人病と呼ばれていた、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病が、
「生活習慣病」に名前を変えたのは、有意義なことでした。

  成人になると誰もが掛かる病気で仕方がない

のではなく、

  原因は生活習慣で、対策は生活習慣を変えること

を示す名前だったからです。

ところが、生活習慣をどう変えるかという具体的な対策に誤りが多かったために、
名前が変わってからも生活習慣病は、増え続けました。

名前は良いが、方法が間違っていたのでむしろ生活習慣病が増えてしまった

それは、

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容易に確実な効果が得られるダイエット法は、体の仕組みに合わせているので少し複雑。しかし、ゆっくり学べば理解は難しくない

この数年はダイエット自体が興味を持たれなくなり、
新聞やテレビで取り上げられることも減ったように思います。

これは、今まで出てきたダイエット法の総体が、
その成否を評価されたからでしょう。すなわち、
日本人のダイエットは成功して肥満が無くなった、または無くなりつつあるのか、
それとも大きな効果が無かったのかのどちらかだということです。

どちらであるかは明らかです。
診察室で診るメタボリックシンドロームの患者さんが減っている様子はないし、
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