体重に変化がないときは、消費カロリー = 摂取カロリー
という式は科学の体系の中では根本的な原理です。
なぜなら、
体の中に摂り込んだカロリー(摂取カロリー)が、
体から出ていくカロリー(消費カロリー)より多いときには、
余ったカロリーが、脂肪などの形で貯蔵されたカロリーになって、
その分必ず体重が増え、
反対に、摂取カロリーが消費カロリーより少ない時には、
体に貯えられていたカロリーが減って、体重が減るからです。
ですから、体重が増えも減りもしないときには、
摂取カロリー = 消費カロリー、
でなければなりません。
この原理が成り立たなくてもよいとなると、
何も食べなくても体重は減らないし、
いくら食べても体重は増えないことになり、
現実とはかけ離れた世界の話になってしまいます
(科学は、現実を説明できてこその科学です)。
以前、健康管理のためのコンピュータプログラムで、
この原理に反しているものを見たことがあります。
運動量や、ふだん食べている食事の内容を聞いて
「消費カロリーは2000kcal、摂取カロリーは。2400kcal。
消費カロリーより摂取カロリーのほうが多い、
だからあなたは太っている、(誤っている理由)
もう少し摂取カロリーを減らしましょう」
というメッセージを出していたのです。
このプログラムは、計算した消費カロリーが多いときには、
「消費カロリーは2400kcal、摂取カロリーは2000kcal、
消費エネルギーに比べると、摂取カロリーが足りません。
もう少し栄養を摂ることを心掛けてください」
というメッセージを、太っている生活習慣病の人にも出すので、
ソフトウェア会社の営業の人に、
ここは直してもらわないと採用しない、と言ったら、
面倒がられて連絡が来なくなりました。
(体重に変化がないとき、)摂取カロリー = 消費カロリー
という原理に合わせるためには、
ここ数ヵ月間の体重変化を聞いたうえで、変化がないときには、
摂取カロリーに消費カロリーを合わせるようにします。
計算した摂取カロリーより消費カロリーが大きくなったときは、
消費カロリーが体質的に少ない(基礎代謝基準値が小さい)と補正して、
摂取カロリーと同じにして、整合性を取ります。
そのあと、次の手順で、目的体重になるような摂取カロリーを計算して示せばよかったのです。
(のちに、自分で作った経験[その成果物]からいうと、
実際にシステムエンジニアに説明して、
思い通りのものを作ってもらうのは相当たいへんだったと思うので、
今となっては、黙って来なくなった当時の営業さんに感謝)
・・・
(次の・・・まで、いろいろ計算)
体重減少が0のとき、消費カロリー = 摂取カロリー
という式と、
消費カロリーが体重に比例する、
という式を組み合わせると、
摂取カロリーは体重に比例する (実例)
ということになります。
ですから、体重を今の8割にしたい、すなわち、2割減らしたい人は、
今の食事のカロリーを2割減らせばよいことになります。
さらに、
(体重減少が0のとき、)消費カロリー = 摂取カロリー
ですから、
消費カロリー = 基礎代謝基準値 × 体重 × 生活活動指数
で計算すると、それがだいたい今までの摂取カロリーと等しくなるので、
今までの食事の摂取カロリーをすべて計算しなくてもかまいません。
それに、体重を減らしたい割合(上に書いた「2割」)を掛けると、
が出てきます。
(以上計算終わり)
・・・
このように、科学の原理に逆らわず、
というより、むしろ徹底的に駆使すると、
基礎代謝基準値の誤差(簡単に言うと体の省エネ度の違い)があっても
確実に体重が減ります(その根拠)。
ただ、数式に慣れた人でないと、理解するのは面倒だと思うので、
できた計算式とプログラムを使って、自分の
を出してもらうとよいと思います。