食事療法を効率的に行う質問票を作りたいが、患者さんの反論で余計に手間が掛かりそう (真実が早く常識にならないと日本の医療は破綻する)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:タバコが主な原因で、肺が損なわれることによって呼吸困難になる病気)の患者さんの教育のために、質問票を活用してうまくいったという話があります。

一般の医師でも知っている話を元に想像すると(イギリスのある地域の話で詳細不明なので)、
「たんが切れやすくなるので、運動した方がよい」 であるとか、

「タバコは数を減らしてもすぐもとの本数に戻るので、始めから完全に止めた方がよい」 ということを知らない患者さんは多いと思うので、
この質問票で間違えたところだけ解説・指導していけば、少ない費用で効果を上げることができると思います。

ところが、この質問票を取り入れた方法を、
生活習慣病の患者さんの食事療法に使おうといろいろ考えてみたのですが、
結局、現在の(日本だけでなく世界中の)状況では無理だろう、
という結論になりました。

まず、今の常識に基づいた質問を集めて質問票を作っても、
このブログで書き続けてきたように、
効果が少ないか、実行・継続が難しいか、またはその両方、のものが多いので、
結局患者さんは治りません。

反対に、その質問のとおりに実行すると容易で容易でないと挫折が増える)、かつ効果が出る、という質問(例:朝食を抜いてもよい)を集めても、
今までの常識と異なるので、医療人の間で使われないでしょう。

仮にそこを通過しても、質問で間違いといわれた患者さんからも(常識ではこれが正しいという)反論があって、話が先に進まなくなると思います。

そうなる原因は、効果が少なく実行が難しい方法でも否定はされない、という「科学のシステム」の問題にもあります。

しかし、それだけではすまない、
なぜ、原因とされるタバコと食品でこうも差があるのか? と考えたところ、
それを作っている人たちの人数が違うから、と思い至りました。

タバコの栽培に携わる人より、カロリーがある食品の栽培、飼育、捕獲に携わる人のほうが多そうですし、また、その加工や流通にも同じことが言えそうです。
そう考えると、生活習慣病の患者さんが全員治るまでカロリーを減らすと、影響を受ける人はかなり多くなるかも知れません。

さらに、患者さんが治ることによって製薬会社や、医療界も同じ影響を受けることを考えると、このブログで、
「体重はカロリーだ!」
と訴え続けても、吹き消されてしまうことになるのかもしれません。

もう1つ考えたのは、単に歴史が浅いから、ということです。
タバコが体に悪いといわれ始めてからここに至るまでに数十年経っていますが、
カロリーの摂りすぎが悪い、というのはいまだに最有力な説ではありません。
(運動不足のほうが悪いと思われています)

どちらにしても、国民医療費の問題がどうしようもなくなる前に、

体重はカロリーだ

という真実が常識になることを願っています。

コメント / トラックバック1件

  1. カワイ より:

    体重方程式買いました、書籍で買えなかったので電子BOOKで買いました。いろいろ勉強になります、わからないことがあれば聞きますので教えてください!応援してます。


コメントは承認制ですが、できるだけ返信するようにしています。
高血圧・脂質異常症・糖尿病など生活習慣病についての質問も
受け付けています