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ダイエットの効果をうたった決まりは実行が簡単、という法則がある。この法則に反している決まりは誤りだから実行してはいけない。

 ダイエットに限らず、何かを実現しようとするときの決まりには、

1.これをすると好ましい効果がある→せよ[効果誘導型]、
  例:早起きすると3文の得がある→早起きせよ

というものと、

2.これをすると好ましくないがある→するな[弊害禁止型]、
  例:夜更かしすると体調が悪くなる→夜更かしするな

というものの2つがあります。

今回は、これら2つの決まりには、次の法則(決まりについての法則)がある
ことを述べます。その法則とは、

1.本当に効果がある[効果誘導型の]決まりならば、必ず実行が容易

2.本当に害が避けられる[弊害禁止型の]決まりならば、必ず実行が困難

だということです。

そして、ダイエットや食事療法の決まり(常識)のなかで、
今はまだ否定されて(ウソだとばれて)いなくても、
この法則に外れている決まりは誤りだから、実行してはいけない
ことを論じます。

では、この「決まりについての法則」が正しいかどうかを具体的に見ていきましょう。
下の表で、「暴食をやめると体重が減る」というのは、
体重が減るという「効果がある」と言っているので、1.の効果誘導型です。

(この決まりは誤りで、実行しても体重は減らない、すなわち効果は出ません。
 その理由は、1カ月当たりでは暴食で摂っているカロリーが少ない [1]からです。
 この例を、暴食を禁じているから弊害禁止型だ、と間違えて取らないでください。
 見分けるときは、効果と害のどちらがあると言っているのかで行います)

この決まりを実行するのは容易か困難かというと、
暴飲暴食の機会は冠婚葬祭など社会的人間関係に伴うことが多いので難しい、
すなわち、困難だといえるでしょう。

一方、決まりについての法則は

「効果誘導型の決まりは実行が容易」

なので、暴食をやめるという決まりは、決まりについての法則から外れている、
したがって、この決まりは誤りだということになります。

ですから、決まりについての法則は、この決まりの例が正しいか誤りかを見分けるためには、役立ったということになります。

そのほかにも、下の表の誤った決まりの例では、
効果があるといっている決まりはすべて、実際には実行が難しいですから、
決まりについての法則は(今のところ)正しく、
決まりの正誤を見分けるために役立つとしておきます。

今まで、この「暴食をやめる(と体重が減る)」という決まりが
誤りであることに気付かなかった(ウソがバレにくかった)のは、
効果が出ない理由付けが、「決まりが守られていないから」ということになっていたからです。
常識が正しいと信じられているときにそうなるのは、致し方ないところではあっても、
誤りだと明らかになるまで困難なことを実行し続けたり、
実行できない無力感を抱え続けたりするのはつらいことでした。
(これも致し方ないといえばそうですが)

表:誤ったダイエットの決まり(常識)の難易度
(以下の決まりはすべて誤りなので実行してはいけない)

 〇これは正しい  ×でもこの決まりは誤り!  ~あり
 (誤り)
 実行
 〇減量で病気改善  ×標準体重ならば減量不可 [2]    害    易
 〇摂取減で体重減  ×食事のカロリー計算 [3]  効  難
   ×暴食、間食をやめる [4]、(禁酒)  効  難
   ×夕食を遅く食べない [5]  効  難
   ×回数を増やす(朝食)    害    易
 〇栄養不足で弊害  ×炭水化物を摂る(朝食 [6]空腹 [7])    害    易
   ×蛋白質を摂る(栄養バランス) [8]    害    易
 〇消費増で体重減  ×食べても運動で消費できる [9]  効  難
   ×30分続けると脂肪が燃える [10]  効  難
   ×運動を始めないと筋肉が減る [11]    害    易
   ×運動しないとリバウンド [12]    害    易

害:決まりは、実行しないと害があると言っている、が実際はない(決まりは誤り)
効:決まりは、実行すると効果があると言っている、が実際はない(決まりは誤り)

こんどは、2.弊害禁止型の決まりを見てみましょう。
朝食を抜くと、脳のエネルギーが不足して、働きが悪くなる「害がある」から禁止
というのは、弊害禁止型の決まりです。
(この決まりも誤りです。脳のエネルギーが不足しない理由 [13]

朝食を摂っている人がこれを守るのは、
今までと同じことを続けるだけなので、容易に実行できます。
今まで朝食を摂っていなかった人でも、新たに朝食を摂ることは、
食事を減らすよりも簡単でしょう。

ところで、決まりについての法則は「弊害禁止型の決まりは実行が困難」で、
この決まりは、決まりについての法則から外れている、
そして、この決まりも誤りだということになります。

表にあるほかの誤った決まりの例でも、
害があるといっている決まりはすべて実行が易しいですから、
決まりについての法則は、決まりの正誤を見分けるために役立つとします。

この弊害禁止型の決まりが、
誤りであることに気付かなかった(ウソがバレにくかった)のは、
初めから効果があるとは言っていないので、
それで効果がなくても怪しまれなかったからです。
ただ、効果がないだけならいいのですが、
実際にはそれまで食べていなかった人が「朝食をしっかり食べ」始めたところ、
反って体重が増えたという例は多いので、これも気の毒なことではあります。

この法則が正しいかどうか、さらにダイエット以外の例でも試してみます。

家電製品でも自動車でも、大量生産される工業製品は一般に、
1.これをすると好ましい効果があるもの[効果誘導型]の例です。
きれいな映像が見たい、快適に遠くまで行きたい、
など「好ましい」体験をしたいと願う人は多いので、
どのメーカーも競いあってこの体験を安い価格で提供しようとします。
その結果、あのように複雑で信頼性の高い機械が、
現実にあの安い価格で容易に手に入ります。

ですから、例はあげませんが、好ましい体験をするための価格が高過ぎるときは、
「うん? 果たしてそれだけの値打ちがあるのか?」
と疑ってみるべきです。

一方、2.[弊害禁止型]の、好ましくないことが起こらないようにする、
起こっても致命的な打撃を受けないためには費用が掛かるし、
これは実行が困難だということになります。

給料明細で、健康保険料の金額を見たことがある人は、
病気になっても家屋敷や田畑を売らないで済ますための費用が高い
ことを知っていると思います。

何かあっても家族が困らないための生命保険料は、
(好ましい体験をするための)自動車に使う費用より高い人が多いと思います。

このように、費用が高くても支払い、困難でも実行するのは、
好ましくない致命的な打撃を避けようとするときには、理性的に判断するからです。
これは、好ましいものを衝動的に手に入れてもらうためには、
価格が安く、実行が容易でなければならないのと対照的です。

弊害禁止型のとき、たとえば、
自分や家族の不幸を避けるのに、つぼを買うだけ、銀行で振り込むだけ
(高いといっても出せる金額)でよいなら、「本当か?」と疑って掛かるべきでしょう。

以上のことから、

1.好ましいものを得るための決まりは容易(手段は安価)
2.好ましくないものを避けるための決まりは困難(手段は高価)

であるという法則は妥当であり、
その決まりが正しいかどうかを見分けるのに役に立つと考えてよいでしょう。

ですから、
体重が減って病気が治る、という好ましい体験をしたいならば、
その手段は実行するのが容易であるはずです。

容易でないならば、効果を疑って掛かるべきだし、
減らした体重を維持するためにも容易な手段が必要 [14]であることは分かると思います。

そして、人間が欲しいものを得るために使える労力(資力)には限度があるので、
効果がない決まりを実行してはなりません。

このブログには、体重を減らすために自分の生活環境や食事の嗜好に合わせた容易な方法 [15]を載せてありますので、ぜひ読んで実行してください。