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糖尿病が治らないのは、糖質(炭水化物)へのこだわりが一因・その1 (糖質制限食では、糖質をいくら制限しても、蛋白質を減らさないから糖尿病が治らない)

糖尿病が治らないのは、

1.食事療法のカロリー設定が適切でない [1]

2.糖質(炭水化物)を減らすことにこだわって、蛋白質を減らそうとしない

3.従来の「糖尿病は治らない」という考えから抜けきれない [2]

からだ、ということを以前述べました。

今回は、特に、

糖質制限食(カーボカウント、ローカーボ、低炭水化物、アトキンス、
などというダイエット・食事療法も同じような内容です)

という食事法が糖尿病を改善させる、と言っている人たちが、
上の、2.糖質へのこだわり=糖質に目を奪われていたことで、

蛋白質がブドウ糖や脂肪の原料になる [3]ことに気が付いていない
(または、気が付いていないふりをしている)ことについて述べます。

「糖質制限食」というキーワードでこのブログを訪れてくれた人は、
糖質制限食では制限されていない蛋白質がブドウ糖の原料 [3]
ということを不審に思う [4]かもしれません。
しかし、私が知る限り、糖尿病が「治った」人は、糖質制限食ではなく、
蛋白質のカロリーも含めた「カロリーが少ない食事 [5]」を実行している人です。
(「カロリーを減らしても体重が減らなかった」という人はこちら [6]
ためしに一度読んでみてください。

また、糖質制限食に効果がない原因を理論的に知りたい人は、
次回の記事 [7]から読んでください。

糖尿病の患者さんで、すでに糖質制限食を実行している人は多い

まず初めに、糖尿病になっていた人たちの食事が、
糖質制限食を唱えている人たちが勧める食事によく似ている
ということを指摘しましょう。
いわく、

肉・魚・大豆製品などの蛋白質はしっかり摂る、
糖質(炭水化物)、特に白米や麺類など精製糖質を控える、
アルコールは糖分を含まない蒸留酒を、等々。

糖尿病になった人たちに、どのような食事をしているかを聞くと、
このような、「これこそ糖質制限食」を摂っていると言う患者さんがいます。

そして、もともと甘いものは食べないし、
ブドウ糖の原料になる炭水化物も控えているから、
自分が糖尿病のはずがない、と続きます。

それで、体重は減りましたか? と聞くと、

確かに、体重は減っていないが、
油物だって控えている(これは糖質制限食とは違うかもしれません)。
糖分や脂肪の元など本当に摂っていない。

という答えになります。
(さすがに体重は80kg、体脂肪率が28%とかありますから、
これは言い訳のしようがありません)

この人たちに糖質制限食を厳格に実行してもらっても、
たぶん糖尿病が治ることはないと思います。

では、なぜ、糖質制限食で改善し、それに執着し続ける人がいるのでしょうか?

改善するし、弊害がないから固執する

まず、糖質を制限することで、
総摂取カロリーが減る人が多いということがあります。

それによって、体脂肪が減り、しかも蛋白質は制限していない、
(当然、蛋白質の必要量が摂れている [8]ので)
筋肉など除脂肪体重の減少がない、
従って、消費エネルギー(基礎代謝基準値 [9])があまり減らないので、
改善する(少し良くなる、しかし治らない)人が多いのだと思います。

実行や理解が簡単なだけでなく、適度に厳しいところがかえって魅力

さらに、実行するときに、制限がちょうど良いくらいの厳しさというのも、
長続きする原因だと思います。
肉や魚などの蛋白質や、味を良くする油脂類などが禁じられていないので、
いわゆる「おいしいもの」は食べ続けることができます。

その一方で、糖質(炭水化物)はいろいろ制限されますが、
全くダメというのでもなく、玄米など未精製の穀物なら可だったりして、
「炭水化物食べたぁい」、という状態になることもありません。

何より、少し面倒でも制限がある食品の種類を覚える、
というのがカロリー(という抽象概念と具体的応用)について知るより
単純で理解しやすい、のがいいのかもしれません。

そして、結局
治らない人や、つらくて実行できない人は、糖質制限食から離れていく [10]ので、
「改善はする」が治らない人ばかりが残って
この食事法は正しい、ということになるのでしょう。

治った人は皆カロリーが減っている

一方、糖尿病が治った人(元・患者さん)の話は、それぞれですが、
共通しているのは、以前よりも食べる量が減っている [11]ということです。
さらに、それを無理せずに続けている [12]ということも共通かもしれません
また、必ずしも「食品交換表」を使った食事療法や運動を続けている人ばかりではありません。

糖尿病が(「改善する」のではなく)治った人は、
どの食品に糖分が含まれているかなどは知りません
(知らなくても治っています)。
ただ、以前より(自分が減らしやすい [12])食事や食品の量を減らして、
カロリーが減った [13]だけなのです。

次回の記事 [7]では、治らない原因を、体の中で起こっていることを述べることで解き明かします。