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カロリーや栄養の吸収率は、食事の時間や同時に食べるものに関係なく、常にほぼ100%、という正しい知識があると、ダイエット・食事療法がとても簡単になる

カロリーや栄養の吸収率については、事実と異なった思い込みが行き渡っていて、
そのためにダイエット・食事療法が困難になったり、
始めから不可能になったりしています。

その間違った思い込みとは、

1.食事と食事の間隔が空くと、カロリーの吸収率が良くなる
  ⇒(だから)痩せるためには、食事を抜いてはならない

2.食事の時刻が遅いとカロリーの吸収率が良くなる
  ⇒でも、自分は仕事で夕食が遅くなるから、痩せるのは無理

3.自分は生まれつき栄養の吸収率が良い
  ⇒いくら食べても栄養の吸収が悪くて太らない人と違って、痩せるのは無理

4.食物繊維が多い食品と一緒に食べると、カロリーの吸収率が悪くなる
  ⇒野菜や海藻を多く摂ると痩せる

などです。
( くどいですが、1.~4.に書いてあることはすべて間違いです )

間違った思い込みを改めると、カロリー減少に集中できる

しかし、事実は、
どのような条件でも、人間がカロリーを吸収する割合は、ほぼ100%
なのです。

それは、食物中のカロリーがある栄養素:蛋白質、糖質、脂質は、
(あまり噛まないでも)それぞれ胃液、膵液、胆汁で消化されて
テニスコート1面分の面積がある小腸の表面を通る間に、
余すことなく吸収される

ことを想像してもらうと分かりやすいと思います

「条件によって吸収率が変わるという思い込み」が、
「吸収率は常にほぼ100%だという事実」に置き換わると、
食事時間などの条件を無視しても、
食事のカロリー(すなわち量 [1])を減らしさえすれば、体重は減ることになります。

上に挙げた条件を考えなくてもよくなると、ダイエットが簡単になることを
1つずつ見ていきましょう。

1.食事を抜いたり、食事によって量が違い過ぎたり、

ということがあっても、摂ったカロリーは、元々ほとんど吸収されていたわけです。
ですから、3食の量を均等にせずとも、
それどころか今まで少なかった食事をさらに減らしても、
減らした分だけは体重が減ることになります。

また、糖質=炭水化物を摂らないと、脳の働きが悪くなるというのも誤り [2]
ですから、
生活環境によって、自分が最も減らしやすい食事の量を減らせば、
体重は減っていきます

2.仕事で夜遅くにしか食事が摂れなかった人が、早い時刻に食べるようにしても、やはり吸収率はほぼ100%

で高いままですから、体重が減ることはありません。
ですから、食事が夜遅いままでも、カロリー(量)を減らしさえすれば、
体重は減ります

また、夜遅い時刻に食べる人のほうが体重が重いという調査結果がありますが、
小腹がすいた時に、食事まで時間があるからと余分に食べるもの
のカロリーが増えるので太っていると考えられます。

もうひとつ、寝ている間はカロリーを消費しないから太りやすい
ということも言われますが、すでに述べたようにこれも誤りです。
(人間は体温維持のために、寝ている間も多くカロリーを使っています)

ですから、夜遅い時刻に食べる人も、
(吸収率が上がったり、脳の働きが悪くなったりすることはないですから)
それまでには食べないようにして、食事の量を減らせば、体重はちゃんと減ります。

寝るまでにあまり時間がないので食事の量を減らしてもつらくない人は
夕食を減らせばよいし、
仕事を終えた後に(ご褒美として)しっかり食べたい人は、
朝食や昼食を減らしておけばよいのです。

3.栄養の吸収が悪いから、同じ食べ物=カロリー、同じ運動でも痩せている

とよくいわれます。

しかし、事実は、栄養の吸収は誰もがほぼ100%で、
体重の違いは、カロリーの消費量が生まれつき異なっていることによる [3]ものです。

浪費遺伝子というものを持って、生活活動のために多くカロリーを消費する人は、
同じだけカロリーを摂っても体重が軽くなるし、
反対の働きをする倹約遺伝子を持つ人では、体重が重くなるのです。

ただ、食べているものから摂取カロリーを計算するとやはり多いという人もいるし、
仮に倹約遺伝子を持っている人でも、
食事のカロリー(量)を今よりも減らすようにすれば体重は減る [4]
ので、あきらめる必要は全くありません。

また、吸収不良症候群というまれな病気がありますが、それ以外は、
下痢をしているときでも、水分が吸収されていない(だから体重が減る)だけで、
カロリーはほぼ吸収されています(だから治るとすぐに体重が戻る)。

4.糖質=炭水化物は、食物繊維と一緒に食べると血糖が上がりにくくなる

というのは事実です。

しかし、それは糖質が「ゆっくり」吸収されるというだけで、
最終的に吸収される総量は、先ほどのテニスコート1面分で吸収するので、同じなのです。

食物繊維を多く含む食品の効果
メタボ氏のための体重方程式 [5] p.123より】

糖尿病の薬で、
糖質の吸収を遅らせるという、食物繊維と同じ働きをするものがあり、

この薬をのむと、食後の血糖値が上がりにくくはなります。
しかし、最終的に摂った糖質はほとんど吸収されるので、
体重が減ることはありません。

糖尿病で体脂肪が多い人は、
野菜を摂る前に、まず食事のカロリー( [6])を減らすべきです。
そうすると、体脂肪が減り、インスリン抵抗性が下がり [7]
少ないインスリン分泌でも、食後の血糖値が上がりにくくなります。

以上、1.~4.で説明した、

カロリーは、種々の条件に関係なく、いつでもほぼ100% 吸収される

という研究は1970年代には行われていたのに、その結果があまり知られていません。
(調べたい人は「アトウォーター(Atwater)係数」でウェブ検索すると糸口になるでしょう)
それは、それまで信じられてきた、

よく噛んで食べると吸収がよくなる、吸収率の個人差で体形が決まる、

といった常識と違いすぎた [8]からでしょうか?

ともあれ、先人たちが吸収率について研究してくれていた結果を生かすと、
ダイエットの法則は、

自分が減らしやすい食事の量を減らせば体重が減る [9]

という、単純で、実行しやすいものになります。