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脂質異常症(高LDLコレステロール血症)も、食事の量を減らしただけで治る (卵や肉を減らすよりも効果が高いし、薬を飲み続けるよりも負担が少ない)

現在、医師の間では、
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高いときには、
食事療法はあまり効果がない [1]、ということになっています。

しかし、上がる原因についての視点を少し変えるだけで、
食事だけでLDLコレステロールを下げることができるので、
今回はその方法について書きます。

その前に、食事療法は効果がない、という医師たちの評価がなぜできたか
を見ておきましょう。

この評価は、
LDLコレステロールを下げる薬(脂質異常症治療薬)の優れた効き目と
比べられることによって作られた部分が大きいです。
(食事療法を指導したあとの検査値にはほとんど変化がありませんが、
薬を処方すると、次の検査では数値がしっかり下がっていますから)

脂質異常症治療薬の効果は、検査値を下げるだけでなく、
心筋梗塞や脳卒中も減らして死亡率を下げることが
明らかになっています。
(このことをわざわざ書くのは、
不飽和脂肪酸を摂ると確かにコレステロール値は下がるのだが、
なぜか死亡率が下がらなかった、という失敗がかつてあったからです)

ですから、どうしても、手間が掛かって、しかも効果がない食事療法より、
費用が安くて効果が確実なLDLコレステロールを下げる薬が処方される
ことになってしまいます。

食事療法には効果がない、ということは、
生活習慣病が治らなかった原因・その1 [2]」の記事でも書きましたが、
従来言われてきた、

  ・ 卵・肉など、食事中のコレステロールや、動物性の脂肪を減らす、
    (近ごろは、さらに細かく、魚や植物性の脂肪の種類によって
    控えたり摂ったりする、ということも言われていますが、
    これまで行われてきたことの結果からみて、効果は疑問です)

  ・ 野菜や海藻などの食物繊維を摂ることでコレステロールを吸着する、

などの注意を実行してもLDLコレステロールが下がらない、
ということを示しています。(高血圧における減塩 [3]のようなものです)

また、日本動脈硬化学会の一般向けサイト [4]では

  ・ カロリーを抑えて肥満を防ぐ [2]

ことに重点を置いています。
ところが、BMI法で25未満の人
(BMIが25の人は実際にはかなり「ポッチャリ体形」です)
は肥満とは判定されないので、
このカロリーを抑えるための指導を受ける人は多くありません。

さらに、もし肥満があっても、このブログで繰り返し書いてきたように、

  ・ 実際には必要のない禁止事項が多い [5]

ので、十分にカロリーが減らせない、それで体重が減らない、
結局、LDLコレステロールが下がらない、ということになっていたのです。

以上のような状況で、食事療法は効果がない、
という医師の評価ができてきました。

しかし、初めに書いたとおり、その評価を覆して、
食事でLDLコレステロールを下げるために必要なことは、
今までの視点をわずかに変えるだけでよいのです。

それは、肥満かどうかの判定を身長(BMI法)でなく、
体脂肪率で行うことです。

右欄に表示している書籍「メタボ氏のための体重方程式」 [6]から引用した
上のグラフでは、体脂肪率が減るほど、LDLコレステロールが異常の人、
すなわち、脂質異常症(高脂血症)の人の割合が減っています。

ですから、BMIが25未満の標準体重でも、
体脂肪率が男性10%、女性20%以上
(筋肉が少ない体形で、いわゆる隠れ肥満)の人ならば、
体脂肪を減らすとLDLコレステロールが下がるチャンスがあることになります。

体脂肪率は、今の食事から「減らすカロリー [7]」を、
減らしやすい食事 [8]」から、「減らしやすい食品 [9]」の量を減らす [10]ことによって、
確実に(男性10%、女性20%まで)下げることができます。
また、このようにすると、負担(感)が薬を飲み続けるよりも少なくなるので、
挫折せずに続けることができます。

その結果、高血圧 [3]糖尿病 [11]の薬の時と同じように、
薬を飲まなくても検査値が正常になり、その状態を維持できる、
すなわち、治すことができるのです。