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患者さんがウソをつき医師が困惑し、挙げ句お互いが不信に陥るだけでなく、医療費まで破たんするという問題(いわゆる医療崩壊)を解決する方法は、「体重はカロリーだ」という正しい知識を広めること

前回の、「医師や看護師についてはいけないウソ [1]…」
で取り上げた記事の中で、
「医師の多くは、患者のうそを分かっているはずだ」との解説もありました。
しかし、分かったうえで、どう対処するかには悩ましい場合があります。

食事習慣を変えて生活習慣病を治してもらうために、
患者さんに数日分の食事内容を書いてきてもらうことがあります。

そのときに、この食事のカロリーならもっと体重が減っているはず、
減っていないということは、
実際に食べた量より大幅に少なく書いてきたのだろう、
という患者さんがいます。

医師も、社会的動物(人間) [2]ですから、
患者さんと必要以上にあつれきを起こしたくないので、
いきなり「これだけではないはず」などとは言いません。
しかし、「書くのを忘れている食事、間食などはありませんでしたか」
と聞いても、大幅に少なく書いてくる人は、
「いえ、これだけです」という答えになります。

もちろん患者さんも社会的動物(人間)ですから、
必要以上に医師とのあつれきを起こしたくないので、
「実は、実際に食べた分の半分だけ書いてきました」
といって自分がウソツキであることを認めることはないでしょうし、

もともとウソをついているので気持ちに余裕がないですから、
「うっかり書き忘れていました」、
と次につなぐために修正することもできないのでしょう。

(以下、社会的動物である医師は、
「この食事なら問題はないですね」と〆たうえで、
別の話題に切り換え、食事や生活習慣の話題が出る日まで、
次の機会をうかがうことになります)

日本中でこのようなことが行われているはずですが、
その原因として、禁酒や運動など、
実行しても効果がないことや守らなくても害のないこと
(つまり必要のないこと。その理由:
目的の重大さと手段の容易さ(脳卒中・心筋梗塞の予防に、つらいことは必要ないこと)・・・ [3]
従来言われてきた方法を実行しても効果がない原因 [4]
新たに発見されたしくみが役に立つと分かるまでに越えなければならない関門・その1 [5]その2 [6]その3 [7]、)
が言われ続けてきたことが大きいです。

その程度は、全く健康な(そしておそらくは長生きする)人にでも、
医師がその気になれば、「健康になるための方法」を破っていることを
いくらでも指摘できるくらいです。

それに対して患者さんのほうでも、
実行できない自分や現在の生活環境をつらく思いながらも、
社会生活を営み続けるためにできることにも限りがありますから
(夕食を早く食べるために残業を拒み続けると、
「ご飯が食べられなく」なる、のように。
ちなみに、夕食を早く摂っても体重は減りません。その理由 [8]

目の前の医師には、当たり障りのない答えでやりすごし、
健康診断の問診では、「生活習慣を変えるつもりはない [3]」と、
拒否的な答えをしてしまうことになるのでしょう。

経済の不況下では、いさかいの種やストレスが増えるように、
病気が治らないと、医師と患者さんの間にもあつれきが増えます。
また、多くの人に生活習慣病の医療費が掛かって、
健康保険財政が破たんしかかっています。

これらの、医師・患者関係と、医療経済の問題を合わせて、
「医療崩壊」という刺激的な言葉も使われています。

この事態から立ち直るためは、

生活習慣病を治すためには体重を減らす。
体重を減らすためにはカロリーを減らさなければならないし(必要)、
またそれ以外のことはしなくてよい(十分)、すなわち、

体重はカロリーだ! [9]」(このブログのタイトル)

という知識が早く広まることが、必要(そして、十分なはず)です。