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体重を一定に保っているしくみとは、生物的な制御機構でなく、それまでに聞いた知識と社会的生活の制約 (正しい知識に改め、制約に従うと挫折がない)

毎年の健診結果を見ていると、体重に変化のある人は少ないです。
あたかも、その人に決まった体重があって、その体重から外れても元に戻ってくるようなしくみ(制御・調節機構)があるように見えます。

この現象を説明するものとして、10年くらい前に注目されたのが、
ネズミが太ってきた時に出る、レプチンというホルモンでした。

このホルモンは食欲を抑えるので、
ネズミを一定以上には太らせないように働く
と考えられたのです。

同じ哺乳類ですから、人間も同じしくみで体重を調節しているのではないか?
という考えで研究が行われました。
ところが人間では、太っている人のほうが、レプチンがたくさん出ていたのです。
レプチンは食欲を抑えるのだから、
食事の量=カロリーが減って、体重も減るはずですが、
そうではありませんでした(現実に太っていたのですから)。
ですから、このしくみで人間の体重が(太ったまま)一定になることは説明できません。

ここから分かることは、人間の場合は、いくら食欲を抑えるホルモンが出ていようとも、時間が来れば食欲とは関係なしに、いつも決まった量・カロリーを食べてしまっている(その理由) [1]ということです。

また、ダイエットで体重が減ったあとに、いわゆるリバウンドで体重が元に戻ってくるのも、体重を一定にする調節機構があるように思わせます。これについて、

「それは、体重には遺伝的に個人個人で決められた値(セットポイント)があって、それより減ると脳が命令して体重が戻ろうとするのだ」、
ということを主張する「セットポイント説」という説がありました。
(脳が調節を行っているという根拠が示されていない「神秘的な」説でしたが、それなりに紹介されていました)

事実は、遺伝などではなく
(アメリカ人だってほんの数十年前まで今のような体重ではなかったでしょうから)、

ということです。

このような人間の体重が一定になる傾向があることを説明しようとし(て失敗し)た研究からも、分かることはあります。
それは、人間は、生まれつきのしくみよりも、生まれたあとで学んだ知識と、社会的な環境から多く影響を受けて、(食)行動をしているということです。

毎日何をどれくらい食べるかは、

ふだん、その知識が正しいかどうかと疑うことなしに(当然正しいと)信じていた
(が実は誤りだった)知識、例えば、

などに外れないようになっています。

また、社会的生活(対人関係)を営む [6]上で、仕事に差し支えない時間に食事を摂ったり、家族が作ったものを残さず食べたり、といった制約を破らないようにしています。

このような、

新たなカロリーと体重の調節機構を作ってもらう
ことを目的にしてこのブログを書いています。