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体重を体脂肪量と除脂肪体重に分けて考えると、体重変化の原因が分かる・その2(この違いが分からずに効果がないことをしている人が多い)

前回 [1]から、体重をいくつかの成分に分けて考えると、
その変化を正しく解釈でき、意のままにできるようになる、という話をしています。

検索エンジンやブログ・ランキングからこのブログに来てくれた人は、
前回の記事 [1]を読んでからのほうが理解しやすいと思います。

今回は、除脂肪体重を2つに分けたうちで、筋肉・骨や内臓の成分の重さが、
どのような条件で変化するかを見ていきます。
このうち、骨や内臓の重さはあまり変化がないので、筋肉の量が問題になります。

まず、筋肉を増やすためには、蛋白質についての記事 [2]で書いたように、

 1) 蛋白質を食事から摂る量を通常の必要量 [3]より多くする
 2) 無酸素運動(ウェイトトレーニングなど)を行う

という条件をともに満たす必要があります。
さらに、

 3) 男性ホルモンが多い(男性である)、
 4) 生まれつき筋肉質の体質である、

という通常は自分で変えられないことも必要なので、筋肉を増やすと言っても、そう簡単なことではありません。

反対に、筋肉を減らすためには、別の蛋白質についての記事 [4]で書いたように、

 1-) 蛋白質の摂取量を必要量 [3]よりも減らす、
 2-) 無酸素運動を(もししていたら)減らす、

のうちどちらかを満たせば十分です。
(andを否定すると、それぞれの否定のor:懐かしいド・モルガンの法則です)

1-) の条件が満たされることがあるのは、
体重を短期間で減らすことをねらってカロリーを極端に減らしたり
(実際に急速に減ります)、
食事の内容にあまり気を使わず炭水化物ばかり摂っていたりするときです。
蛋白質の摂り過ぎで体重が減らない人が多い [2]一方で、
蛋白質が足りなくて、この条件を満たしている人もときにいます。

2-) の条件は、
初めから無酸素運動をしていない人が、今まで通りしないままでいても、
「減らす」ことはできないので、満たすことはできません。

2-) の条件が満たせない人のうちで、
1-) の条件を満たしていない、すなわち、蛋白質を必要量 [3]以上に摂っている人は、
(どちらか1つでも満たせばよいのに)
どちらの条件も満たせないので、筋肉を減らすことはできません。

回りくどい言い方をしましたが、ふつうの言い方でいうと、

ということです。

これは、よくいわれている、

  ・ 食事を減らすだけで運動しないと筋肉が減る、

という話に矛盾していることに注意してください。
運動しないと筋肉が減る、というのは誤りですが、
そういわれることになった原因は、除脂肪体重の定義 [5]に関係しています。
(興味がある人は、青い文字をクリックしてリンク先を見てください)

以上で、体重を構成する3つの成分、すなわち、

体脂肪、水分、筋肉・骨や内臓が
どのような原因で
どう変化するか

を個別に見てきました。

それを下の表にまとめたので、前回と今回の内容を確認しておきます。

体重の
構成成分
  増える原因
  (食事等)
   減る原因
   (生活・運動等)
      変化
 速度  上限  下限
体脂肪 蛋、糖、脂 基礎代謝、有・無酸素  遅  大  大
除脂肪体重 筋肉等 蛋、無酸素 蛋不足  中  小  大
水分 食事、飲水、
月経周期・後半
汗、尿、不感蒸泄、
ダイエット開始時
 速  小  小

体重を構成する成分のうちで、
減らそうとしているのは体脂肪で、そのためには、
増える原因となっている蛋白質・糖質・脂質を減らすのが有効です。

一方、減らしていけないのは筋肉・内臓で、そのためには、
蛋白質不足にならないようにします。
ただし、それは蛋白質を必要量 [3]より減らしてはいけないという意味で、
全く減らしてはならないということではありません。

体脂肪を減らす方法を(生活環境や好みに合わせて [6])実行していくときには、
確かに実行できているか、他の原因で妨げられていないかを知るために、
体脂肪や筋肉の量を確認しながら行う必要があります。

この2つの量の変化は、体重・体脂肪計で測った値と計算で求めた、
体脂肪量や除脂肪体重の変化から推定できます。そのとき、
除脂肪体重に含まれる水分の変動と、体脂肪計の誤差 [7]の影響をできるだけ減らすために、

ことが必要です。

そのような注意をしても、体脂肪や筋肉量の(真の)変化量が、
変動・誤差よりも大きくなるには通常数日以上の時間が必要です。
真の体脂肪量が減っているのに、誤差がそれを上回ると
測定した値は増えてしまいます。それで意欲をなくしたりしないように

ほうがよいでしょう。