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ダイエットに関係がある計算式・その1は、消費カロリーを求める式。しかし、誤差が大きいので、これをそのまま「必要なカロリー」とすると、体重が減らない原因になる

「人間に必要なカロリー」というキーワードで検索して、
このブログを訪れてくれる人がいます。

ここでは、
「体重はカロリーだ!」 [1](このブログのタイトル)であるとか、
数字(量)が大切だ [2]、などとふだんから書いていますので、
カロリーや体重についての基本的な計算方法を書いておきます。

ただ、「カロリーを減らしても体重が減らない」原因・その2は、理論的な誤り… [3]

で述べたように、数字や理論が、現実を正しく反映・表現していなかったり、
その解釈や適用を誤ったりしたときは、最終的に現実でダイエットの失敗として現れてきます。

最低でも「人間に必要なカロリー」を摂る、と考えていると、
その値が現実と食い違っていた(誤差がある)場合、
「生活習慣病を治すために必要な体重減少」が得られないことがあります。

ですから、このブログでは、ただ数字が計算できればいい、というのではなく、
その数字をどのように現実の世界で扱うとよいのかを書いていくつもりです。

まず初めに、最も基本になる消費カロリーの計算式を見ましょう。

  ①         ②            ③         ④
消費カロリー = 基礎代謝基準値 × 体重 × 生活活動強度指数
 (kcal/日)     (kcal/kg/日)     (kg)     (単位なし)

見慣れない言葉が出ていますが、1つ1つ解説していくので心配いりません。

①:「消費カロリー」の下に、「(kcal/日)」と書いてあります。
これは、消費カロリーを表す単位ですが、1時間当たりなのか1日当たりなのかを明らかにするため、「/日」という単位を書きます。
成人男子の消費カロリーは××00kcalだという場合は、ふつう1日当たりのカロリーを表しています。

②「基礎代謝基準値」という用語が出てきましたが、この意味を理解するためには、この数値の名前が役に立ちます。

基礎代謝(「基準値」がついていない)とは、体を動かさないで、じっとしているときの消費カロリーのことです。

さらに、その下に書いてある「kcal / kg/日」という単位を見ると、
その意味がもう少しはっきりします。
消費カロリー(基礎代謝)の単位が「kcal/日」のところを、
さらに重さの単位「kg」で割っています(「/」は割り算の記号で「÷」と同じ意味です)。

ということは、この基礎代謝の数値を、何かの重さで割ると、
基礎代謝基準値の数値が出てくるだろうと想像できます。

何かの重さというのは、体重のことなので、結局、
基礎代謝基準値とは、体重1kg当たりの、基礎代謝のカロリー、
を表しているということになります。

したがって、基礎代謝基準値に体重を掛けると、基礎代謝が出てくる、すなわち、

基礎代謝 = 基礎代謝基準値 × 体重

だということになります。

基礎代謝基準値の具体的な数値としては、性別・年齢によってそれぞれ標準的な値が公表されていますが、成人ならば、だいたい22kcal/日/kgくらいです。

③:体重は、目的によって、現在の体重や、これから到達しようとする目標体重が使われます。目標体重になったときの消費カロリーが分かると、そのとき食事からどれだけカロリーを摂ればよいのかがだいたい分かります。

④:生活活動強度指数とは、
日常生活でどれだけ体を動かしているか、ということを数値で表したものです。
これくらいの活動量なら、1日の消費エネルギーが基礎代謝の何倍になるかという数値です。
(単位の欄には、「単位なし」と書いてありますが、これは(基礎代謝基準値 × 体重で出した)基礎代謝の単位が「kg/日」なので、それに何も単位を掛けなくても両辺が同じ単位になるようにそうなっています)

具体的な数値は、次の表の「日常生活の内容」のどれに当てはまるかで、生活活動強度指数がだいたい分かります。

  生活活動強度指数 日常生活の内容
1.3 散歩、買い物など比較的ゆっくりした1 時間程度の歩行のほか、大部分は座位での読書、談話、また座位や横になってのテレビ、音楽鑑賞などをしている場合
1.5 通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車、接客、家事等立位での業務が比較的多いほか、大部分は座位での事務、談話などをしている場合
1.7 生活活動強度Ⅱの者が1日1時間程度は速歩やサイクリングなど比較的強い身体活動を行っている場合や、大部分は立位での作業であるが1時間程度は農作業、漁業などの比較的強い作業に従事している場合
1.9 1日のうち1時間程度は激しいトレーニングや木材の運搬、農繁期の農耕作業などのような強い作業に従事している場合

 さて、実際に、消費カロリーを計算してみましょう。

基礎代謝基準値を 22kcal/kg/日、
現在の体重が 60kg、
日常生活の内容が「散歩、買い物など比較的…」だったとき、
生活活動強度指数は 1.3 になるので、
1日の消費カロリーはだいたい

 22 × 60 × 1.3 ≒ 1720 kcal

くらいだということになります。

気が付いた人も多いと思いますが、
どの数字にも「だいたい」という言葉をつけてあるのは、
これらの数値が真の(実際の)値を推定した数値で、
真の(実際の)値との違い、すなわち誤差があるということを表すためです。

なかでも、基礎代謝基準値の誤差は、ダイエットや食事療法の失敗の原因 [4]になっています。

基礎代謝基準値は、同じ性別・年齢でも、生まれつきの体質で1~2割高い人や低い人がいます。
その中で問題になるのは、基礎代謝基準値が低い人で、
真の(実際の)消費カロリーが計算で推定した値より、1~2割少くなっているのです。

これをそのまま、(今回の分を書き始めるきっかけになった)「人間に必要なカロリー」や、
「1日のエネルギー(カロリー)所要量」の言葉通りに取って、
(わざわざ面倒なカロリー計算までして)摂り続けると、
体重が全く変わらなかったり、反って増えてしまったりする [5]こともあります。

このような失敗を避けるためには、
「摂るカロリー」でなく、今の食事から「減らすカロリー」 [6]を考えなければなりません。
詳しい計算 [7]