今回のお題(このブログに来てくれたときの検索キーワードで、ブログの内容が十分な答えになっていなかったもの)は、
「低カロリーの食事」、
「総カロリーを減らす」、
「体重を減らす食事」、
です。
まず、「低カロリーの食事」というのは、
同じ重量(または体積)当たりで「カロリーが少ない食事」
という約束にしておきます。
ですから、カロリーが低い食事でも、量を多く摂るとカロリーが多くなります。
(おかゆを何杯も食べれば、ごはんより多くのカロリーを摂ることができます)
この約束に従うと、「カロリーの低い食事」とは、
・ カロリーが低い(すなわち、重量の割にカロリーが少ない)
鶏のささみや白身魚などの食品を使って、
・ 油を減らして旨みや香辛料を使うなど調理に工夫した、
ボリュームがあって、しかもおいしい食事をいうのだと思います。
(管理栄養士さんたちのサイトやブログはこのような記事であふれています)
ところがこの方法は、ほとんどの人に効果がありません。
なぜなら、国民健康・栄養調査を見ると、
10年くらい前から、日本人の脂質摂取量はかなり減っている [1]、つまり、
今や(油が多くて)カロリーが高い食事を摂っている人は少ないからです。これは、生活習慣病の患者さんたちから聞いた食事の状況とも一致しています。
(お昼は麺類が多いし、そんなに脂っこいものは食べてないんですけど…)。
その結果、いくら調理法に工夫を重ねても、その食事は、
今摂っている食事と、カロリーの高さ(重量または体積当たりのカロリー)がそれほど変わりません。
したがって、「カロリーが低い食事」で、
体重が減るという効果はほとんど期待できません。
効果がない方法を試しているうちに、何をしてもだめ [2]、となって、
生活習慣病が治らない [3]患者さんがいます。
(私のいうことも聞いてくれません)
ですから、「低カロリーの食事」(や、それを扱ったサイト・書籍)に深入りするのは
お勧めしません。(効果はないですよ)
ではどうするか?
それは、2番目のお題「総カロリーを減らす」が示しています。
生活習慣病の患者さんたちの体重が重いということは、
摂っている総カロリーは多い [4]ということです。
その患者さんたちは、上で述べたように、食用油やカロリーの高いものは摂っていないといいます。
(ウソをついている? いえいえ)
それは、カロリーが高くない(ふつう)の食事でも、
量を多く食べるとカロリーを多く摂ることができるからです。
(おかゆを何杯も食べれば、ごはんより多くのカロリーを摂ることができます)
患者さんたちが太っているのは、
カロリーがふつうのものを(量を)多く摂っている [5]からなのです。
ふだん食べる多くの食品のカロリーはあまり違わない [6]ので、
食べた食品のカロリー [7]を全て調べなくても、
大まかに、食事のカロリーを知ることができます。
同じ理由で(カロリーがあまり違わないので)、
「総カロリーを減らした」食事とは、量を減らした食事だということになるのです。
次回 [8]は、量、すなわち、総カロリーを減らした食事を
どのように実行していくかを述べます。