前回は消費カロリーの計算式 [1]だったので、今回は摂取カロリーの計算です。
摂取カロリーの計算方法は単純ですが、
掛かる手間が少なくないので、それに見合う効果があるか、
という検討が必要です。
手間を掛けても、食事のカロリーそのものが減っていなければ、
体重が減るという効果は望めません。
① ②
食品のカロリー = その食品100g当たりのカロリー × 重量 ÷ 100
(kcal) (kcal/100g) (g)
例として、ごはん(米でなく炊いたご飯)は、
①:100g当たりのカロリーが168kcalカロリーなので、
②:測った重量が200g だと、
③:(電卓で)168 × 200 ÷ 100 = 336kcal
になる、というのが基本です。
この計算を1日に食べた食品(調味料や、間食まで)すべてについて行い、
その合計がその日の摂取カロリーということになります。
原則はこれだけですが、摂取カロリーを求めるときに大切なのは、
- 掛かる手間に見合うだけ、
- 誤差が減るか、そして
- (体重が減るという)効果があるか、
ということです。
まず、手間について述べると、毎日食べるすべての食品について、
①100gあたりのカロリーを調べて、②:食品の重量を測る、③:計算する
手間が掛かるということです。
①について調べるための書籍では、「食品成分表」、「糖尿病食事療法のための食品交換表」が有名です。
これらの書籍で、索引や目次などで食品を探し出してカロリーを知るためには、
慣れるまでかなり手間が掛かります。
ネット上のウェブサイトには、これらの書籍やデータベースの情報を基にして、
食べる食品とその重量を入力すると、
食事や1日の総摂取カロリーの(③)計算までしてくれるものが多くあります。
(「カロリー計算」等で検索すると見つかると思います)
ですから、書籍で調べるよりは(これも「慣れると」ですが)手間が軽減されています。
ただ、②の重量の計測は自分で行うしかないので、面倒なことが一切なくなるということにはなりません。
次に誤差、すなわち、
計算で求めた摂取カロリーと、真の(実際の)値との違い、
を減らすことは容易ではないことを述べます。
それを表しているのが、法律で認められた誤差、すなわち、
表示されたカロリーと、実際の食品や食事の差として、
20%という数字が使われているということです。
これによると、ある食品または食事にカロリーは500kcalと表示があっても、
実際には400kcalのときもあれば600kcalのときもあるということになります。
ところが、この大き過ぎるように思える20%という数字を小さくするのは、
現実にはそう簡単なことではありません。というのは、
同じ魚でも旬の油が乗った季節と、あっさりしている季節で、
100g当たりのカロリーがかなり違ったり、
同じ加工食品でも製造会社によって原料の配分
(これらは企業秘密になっているでしょう)
が異なることによってカロリーが違ってきますし、その結果、
表示されているカロリーが「食品成分表」に書かれているものと異なっていたり、
することを見ると分かります。
また、給食やお弁当を作るときに少しの盛り付け量の違いが積み重なると、
計算上と実際の食品・献立の誤差が20%くらいになることも考えられます。
別の例として、糖尿病の患者さんが食事療法(カロリー計算)に慣れてくると、
目分量でかなり正確にグラム数が分かるようになる、という話があります。
ところが、この話は、
長く実際に測らないと知らぬ間に、決められたより量より目分量が多くなってしまう、
だからときどきは測りましょう、
と続くので、誤差を減らし続けるのはやはり簡単ではないことが分かります。
このような例で、掛ける手間あたりで考えると、
20%という誤差は、決して緩すぎるのではないことが分かります。
最後に、体重を減らす効果について述べます。
消費カロリーの計算では、生まれつきの体質によって1~2割の誤差があるから、
面倒なカロリー計算を続けても、
体重が変わらなかったり、反って増えてしまったりすることがある、
このような失敗を避けるためには、
「摂るカロリー」でなく、今の食事から「減らすカロリー」を考える [3]とよい、
という話をしました。
消費カロリーでも、摂取カロリーでも、1~2割の誤差があると、
カロリーの数字で200~400kcal、
体重だと5~15kgの違いに達することがあります。
しかし、「減らすカロリー」にすることにより、
その誤差が1桁減って実用上はほとんど問題がなくなります。
そうすると、原則通りに摂取カロリーの計算を厳密に続けなくても、
このブログで紹介した、
「面倒なカロリー計算をせずに体重を減らせる方法」 [4]や、
体重方程式 » 3.手間を減らす » カロリー計算はいらない [5]
という方法で、で十分に誤差を減らして、体重を減らす効果を得ることができます。