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摂取カロリー量は、生活習慣病を治す効果が最大になるよう、十分に減らさなければならない。十分に減らしても、正しい知識があれば、実行時のつらさや弊害を減らすことができる

前回の記事 [1]で、生活習慣病を治すためには、
カロリーを減らす方向に生活習慣を変えなければいけないのに、
今まで良しとされて、勧められてきた習慣は、
むしろカロリーを増やす原因であったことを述べました。

今回は、カロリーを減らすときに、減らす量をどのようにして決めるかを検討します。

効果の大きさには3段階ある

まず、生活習慣病を治すだけでなく、どのような手段にでも当てはまる量の決め方として、
次の3段階のものを考えます。

1.効果が出始める最小量

2.これ以上は効果が出ない最大量

3.1.と2.の中間の量

1.は、30分以上歩かないと脂肪が燃えない、
のように、これ以下では効果が期待できないとされる量を決める方法です。

この量の決め方は、量的な検討以前に、そもそもその方法(例えば歩行)に
少しでも効果があるかどうかを調べるときに使われます。

効果が期待できないほうの例としては、
前回の記事 [1]で述べた、今まで勧められてきた習慣がそれに当たります。
それどころか、むしろ体重を増やすマイナスの効果をもたらすので、
ダイエットを実行する前に前回記事 [1]をぜひ読んでほしいと思います。

2.の例は、このブログの関連サイト「体重方程式」 [2]で使っている、体脂肪率の下限値(男性10%、女性20% [3])がそれに当たります。
この値は、統計の結果から導かれた値で、体脂肪を減らす方法では、これ以下に減らしても病気が治ることは期待できません。逆の言い方では、体脂肪率が下がってこの値に達するまでは、生活習慣病が治るチャンスがあるという値です。(もちろん、体脂肪を減らす以外に、塩分を減らすなどの方法で病気が治るチャンスはあります)

そのほかの例では、薬の用量をこれ以上増やしても効果が増えない量、
すなわち、最大投与量を決めるのがこれに当たります。

3.の方法で決められた量には、
「男性85cm、女性90cm以下」で有名な腹囲の基準があります。
この量の決め方を大まかにいうと、
この値まで減らすと生活習慣病が治る人が1人でもいる値と、
これ以下に減らしても生活習慣病が治る人が1人もいない値の中間の値を取った
ということになります。

これら3つの量の決め方のうち、1.や3.では、その量を越えて行うと、
たとえば、毎日3時間歩いたり、腹囲を70cmまで減らしたりすれば
生活習慣病が治ったのに、その量に決められていたために病気が治らない患者さんが多く出現します。

一方、最大の効果を期待する2.の決め方では、
体脂肪率を20%にするより、10%にするために減らすカロリーのほうが多いので、実行するためのつらさが増えるし、栄養不足による弊害が起きる頻度も多くなります。

また、当然ですが、腹囲と体脂肪率のように、量を決めようとしている別の方法のつらさや弊害の頻度を比べる時には、効果の最大量なら最大量、中間値なら中間値どうしという同じ条件で比べなくてはなりません。

量の決め方で合意してから、実例を積み上げるのがよいのだが…

以上で述べた量の決め方についての問題が、今まで検討されずに来たのは、

・ 検討すること自体が面倒、
・ それは、(検討した研究者でない)ほかの研究者の同意を得るのも面倒なことを意味する、
・ 検討して、最大効果を狙うことにしても、実行できる人が少ないし弊害が心配、
・ 食事療法自体への関心が薄い、

といったところが原因だと思います。

実は、最大効果を期待するカロリーの減少量 [2]と、
実行時のつらさや弊害を減らす(なくす)方法( [4] [5] [6] [7] [8] [9])は、
すでに検討して、このブログと関連サイト [10]で述べています。

また、面倒な内容について、ほかの研究者を説得するためにもっとも有効なのは、
実際に患者さんが治っていった記録を積み重ねることですが、
これには手間と時間が掛かるのがつらいところです。