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蛋白質はブドウ糖の原料、蛋白質には炭水化物(糖質)と同じカロリーがある、という正しい知識があると、ダイエット・食事療法がとても簡単になる・その2

前回 [1]から、ダイエット・食事療法がうまくいかない最大の原因は、
よく知られている蛋白質についての知識の中に、誤りが含まれているからだ、
ということを説明しています。

検索エンジンやブログ・ランキングからこのブログに来てくれた人は、
前回の記事 [1]を読んでからのほうが理解しやすいと思います。
また、今回の説明も、ダイエットを確実、かつ簡単に行うために必要なので、
図を見ながら、面倒がらずにゆっくり [2]読み進めてください。

今回は、蛋白質を減らし過ぎるとよくない、ということを確認していきます。
(これは蛋白質についてよく知られている知識の中では、
正しいものですが、今でもダイエットで蛋白質を減らし過ぎて
問題が起こる人がいるので、説明しておかなければなりません。
ただ、現実には、蛋白質の取り過ぎで体重が減らない人のほうが多いです)


             図.蛋白質、アミノ酸の代謝
(図をクリックすると別ウィンドウで開きます。見比べながら説明を読んでください)

まず、上の図の5.摂取した蛋白質を減らした
(例として上の図で、それまで7. 60g/日摂取していたのを、20g/日に減らした)
場合について考えます。

この場合でも、
4.300g/日(一定量)の体蛋白が、
3.分解されて、アミノ酸になり、

7.60g/日(一定量)のアミノ酸が、
6.分解されてブドウ糖、脂肪の原料とアミノ基になります。

しかし、食事で5.摂取した蛋白質から補給されていたアミノ酸が減った分だけ、
(例では、図の60g/日から20g/日に減ったので、40g/日減った)

体蛋白が2.合成される量が減る(300 - 40 = 260g/日 に減る)ので、
体蛋白の総量が減っていくことになります。

結局、体全体でみると、5.摂取した蛋白質が減った分(40g/日)だけ、
筋肉などに含まれていた体蛋白が減った、ということになります。
これは、体を作っている筋肉や内臓の重さ(除脂肪体重)が減ったことを意味しています。

こうすると、体重は早く減っていきますが、
それは筋肉や内臓の重さを表す除脂肪体重が減ったことによるもので、
体脂肪はあまり減っていません。
その結果、体脂肪率はかえって増えてしまうことがあります。
(体脂肪率=体脂肪量÷ 体重
       =体脂肪量÷(除脂肪体重+体脂肪量)なので)

また、目標体重に到達した後、必要量の蛋白質を摂り始めたとたんに、
すぐに筋肉量が元に戻り、そのため、体重も元に戻ってしまいます。
(もちろん、目標体重を達成した後も蛋白質不足の状態を続けるのがよい、
のではなく、初めから蛋白質を必要量摂りながら総カロリーを減らすのがよいのです)

ダイエット・食事療法を行うときに、このような蛋白質の減らし方をしても、
数日間なら何も起りません。
しかし、長く続けると、内臓や免疫の機能が低下して、体調を崩すことになります。

ですから、
ブドウ糖・脂肪とアミノ基に6.分解されていくアミノ酸の量だけは、
食事から5.蛋白質を摂取しなければなりません。
この量(図の7. 60g)が蛋白質の必要量です。

ただ、上に述べたように、蛋白質の摂り過ぎで体重が減らない人が多いのが現状です。ですから、具体的にどの食品でどれだけ取ればよいかという量を、
蛋白質はここまで減らせる(蛋白質必要量の正しい解釈) [3]
の記事を読んでぜひ確かめてみてください。

この程度の量なら、夕食の1食で摂っている人も多いですから、
その場合は、蛋白質の必要量が摂れているので、
他の食事、朝食や昼食を、ごはんや麺類などの炭水化物だけにしても問題ない、
ということになります。

一方、肉や魚などの蛋白質が好きな人は、
(炭水化物には必要量がない、すなわち、全く摂らなくてもよいので)
炭水化物を減らすことによってカロリーを必要なだけ減らせば、
蛋白質は今まで通り食べることができる場合も多いです。

次回 [4]は、蛋白質を摂り過ぎたときには体の中でどういうことが起こるか、を説明します。