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高血圧を治す方法は、食事の量を減らすのが簡単 (減塩や薬を飲み続けるよりもつらくないので挫折が少ない)

初めに、

という約束にします。

治った状態が維持できると、動脈硬化のスピードが遅くなったり、動脈硬化が改善(動脈が柔らかくなる)したりして、脳卒中や心筋梗塞になる危険が減ります。

 ただ、脳卒中や心筋梗塞を防ぐためだといっても、
そのために毎日行い続けることが辛過ぎるようだと、
途中で挫折してしまいます。
(患者さん全体から見ると健康オタクの人は少ないですから)

その結果は、元の血圧に逆戻り、になるので、
実行するときに辛くない [1]ことが重要です。

同じことは、金銭的な費用の面でも言えます。
薬で高血圧の治療を行う費用は、
脳卒中や心筋梗塞になって何年も不自由な生活を送る危険が減ること
を考えると、決して高くはありません。

高血圧とその結果である病気(高血圧・脳卒中・心筋梗塞等)の医療費は、
日本全体で年間2兆円、患者さんは800万人ですから、
1人当たりにすると年間25万円くらいしか掛かっていません。
(そのうち、自己負担額は、3割の7.5万円という人が多いですが、
残りは健康保険から支払われています。
それがなければ、健康保険の保険料をその分だけ下げることができます)

しかし、
50歳の人が80歳(およその平均寿命)までの30年間薬を飲み続ける
ために、25万×30=750万円が必要
となると、この費用は「辛い」ことになります。

話がここまで来ると、
脳卒中や心筋梗塞を防ぐための2つの手段のうち、
どちらがつらくないかを比べることができるようになりました。

これから先の、

  食事の習慣を変えたことによる負担(感)

が、これから先の、

  毎日薬を飲むこと、
  定期的に病院で掛かる手間、
  支払う金額から受ける負担(感)

を全部合わせたものより少なければ、
放っておいても、食事の習慣を変える人が増えていくでしょう。

「食事」には結構高いハードルになりました。しかし、このハードルは
空腹感 [2]蛋白質 [3]についての正しい知識があれば
(いつものように)クリアできます。すなわち、

食事中の塩分を減らしても効果がない [4](患者さんの6割がそうです)という人は、
標準体重またはそれ以下(隠れ肥満)でも、
血圧が正常になるのに必要な「減らすカロリー [5]」になるまで、
減らしやすい食事 [6]」から、
減らしやすい食品 [7]」を摂る量を減らす [8]とよいのです。

これらの条件が満たされていれば、人間の感覚には適応力がある [9]ので、
短い期間で、新しい食事に慣れることができます。

ですから、(金銭的な費用を除いても)毎日薬を飲むよりつらくありません。

最後に、薬と食事の習慣を変えるのとでは、どちらの方が効果が確実か、
という問題があります。

今まで、高血圧の食事の注意は、塩分に興味が偏っていた [10]ので、
食事を変えた効果が薬の効果を上回った
という客観的な研究結果はないと思います。
(私の臨床経験からは、「食事は効くよ」と言いたいのですが)

ただ、幸いなことに、薬を飲み続けながらでも、
食事の習慣は変えることができ、
(糖尿病で食事を減らすときには低血糖への注意が必要ですが、
血圧の場合、その注意は要りません)

その負担(感)はほとんどないので、
上に書いた、「減らすカロリー [11]」・・・を一度試してみてはどうでしょうか?