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正しい知識を得るためには、その前提として、交絡因子や数量的な錯誤で生じた誤った知識を改めねばならない。そうして知識が深くなると、恐怖や熱狂が遠のき、効果があることを容易に実行できるようになる

生活習慣病の患者さんに食事指導をしていると、
正しい知識を知ってもらうために、
それまで知っていた誤った知識を改めてもらわねばならない場面にしばしば出会います。

例えば、「朝食を減らしてもよい」という正しい知識は、
まず、「朝食を食べないと頭の働きが悪くなる」という誤った知識を改めてもらわないと頭の中に入らないのです。

誤った知識が、なぜ誤ったかという原因(誤りの類型)は、

交絡因子 [1]と、数量的な取り違え(過大視、過小視) [2] [3]によるものとがあります。

しかし、これまで説明するのは迂遠すぎるので、ふつうは、

「朝食を摂らないで車の運転をしている人は多くても、
 それで事故が起こったことはない」
「食事を摂った後はかえって眠くなる」

といった日常生活での体験と結び付けて説明するようにしています。
また、体の機能や構造を支える蛋白質 [4]について少し専門的な知識を知ってもらうと、
蛋白質の代謝
正しい知識が本当に正しい、と納得してもらって、実行に結び付きやすくなります。

そうして、患者さんの知識が深くなるにつれて、
空腹や栄養不足に対する恐怖 [5]や、
数量的検討を無視した運動 [6]に対する熱狂が遠のいて、
効果があることを容易に実行してもらえるようになります。