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摂取カロリーを減らしたあとの体重変化はグラフで予想できるので、さらに挫折が減らせる (カロリーの摂りすぎや減らしすぎにすぐ気が付くから)

ダイエットは、正しい知識を学習してから [1]今の食事から「減らすカロリー」 [2]減らしやすい食事から減らす [3]と挫折しにくい、ということを述べてきました。

さらに、そのあとの体重の変化、特に体重がだんだん減りにくくなってくることについて分かっているともっと安心です。

これについて今までは、「ホメオスタシス」(注:英語の用法) [4]すなわち、

    少ないカロリーでも身体を維持できるように消費エネルギーが減る適応反応

によって起こるとされてきました。

そのような神秘的な概念(注:数理的解釈) [5]を導入しなくても、時間がたつにつれて消費エネルギーが少なくなることは、すでに述べた

   体重が減ると消費カロリーが減る [6]

ことによって説明できます。
さらに、

   消費カロリー - 摂取カロリー = 体重変化

と組み合わせて計算すると、下のようなグラフが描けます。



  【図をクリックすると体重方程式のページが開きます】

このように、摂取カロリーを減らしたときに、体重がどのように減るかが分かっていると、毎日の体重測定で一喜一憂する必要がなくなります。

それだけでなく、体重が減っていなかったり、減り過ぎていたときには、その期間の摂取カロリーや消費カロリーが初めの計画通りではなかったことを意味しているので、速やかに計画を立て直すことができます。

次回は体重の変動についてもう少し詳しく述べていきます。
それが分かるとカロリーのコントロールをさらにうまく行うことができるようになります。

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注:homeostasisという英語の用法について

英語を使う人たちがフランス語やラテン語源の言葉を使うのは、日本人が(やまとことばでなく)漢語を使うようなもので、改まり、格式ばったとき。
英語を使う人たちがhomeostasisのようなギリシア語源の言葉を使うときには、言っている本人がその言葉が示す実態やしくみが分かっていないことが多い。
日本人が梵語(インド語)、例えばお経の中の「摩訶般若波羅…」を意味が分かって唱えている人が少ないのと同じ。

実態が分かってくると同じことを示すのに、feed backのような古典英語(ゲルマン系)語源の言葉が使われるようになる。
このように、言葉とそれがあらわす物事の距離感があるほど、その言葉が使われるところ(英米や日本)と、できたところ(ギリシアやインド)が離れていく傾向がある。

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注:「消費エネルギーのホメオスタシス」の数理的解釈

ホメオスタシスの存在を主張するのは、消費エネルギーの推定式:
消費エネルギー = 基礎代謝基準値 × 生活活動強度指数 × 体重
  [kcal/day]    [kcal/kg/day]        (無単位量)    [kg]

において、消費エネルギーが減ることを、基礎代謝基準値が減ることによって説明しようという立場である。

しかし、超低カロリー療法の開始時等に、一時的な基礎代謝基準値の低下があるにしても、その状態が数ヶ月、数年にわたって続くとは考えにくい。
もちろん上の推定式を修飾する項(因子)を否定するものではないが、消費エネルギーを規定する因子の中では、体重が最も重要であるように思われる。