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新たに発見されたしくみが、役に立つと分かるまでに越えなければならない関門・その3 (数量的に十分な効果はあるか?)

問い3:
かりに、いろいろな調査をしても、やはり、夕食を早い時間帯に摂ったほうが体重が少ない、という結果になったとします。(前回の「再現性」 [1]という条件は満たしています)

この結果を元にして、生活習慣病の患者さんに、同じカロリーの夕食を早く食べてもらうようにしたら、治る人はいるでしょうか?

答え3:

いるかもしれない(前回述べたように偶然 [1])。しかし、治る人は多くないでしょう。

理由は、食事の時刻が体重に及ぼす影響に、数量的な寄与度 [2]
(かりに、あったとしても)高くないだろうと思われるからです。
例でいうと、
同じ内容・カロリーで、早い時間に食べるのと、
ご飯1口分のカロリーを減らして、食事の時間は変えないのとで、
どちらの効果が大きいか、ということになります。

もし、(仕事の段取りをつけるために)努力して早く食べることに成功しても、
その効果がご飯1口のカロリーを減らすのと同じくらいだったら、
大多数の患者さんは治りません。
このように、数量的な効果で劣っていれば、最終的にその仮説は生き残れないことになります。

以上、これまで3回にわたって述べてきたように、ある学説が私たちの役に立つと分かるまでに関門がいくつもあります。この3~40年間で出た学説で、この関門をくぐり抜けてきたものはありません。
(朝食を食べて、運動して、栄養のバランスのよい食事を摂って、間食を摂らないで、夕食を早く摂るようにして体重が減った人はいますか? これらの規則は、実行できないから体重が減らないのではありません、実行しても体重が減らないのです。念のため)

医薬品業界では、20年前を最後に大型の新薬が開発されていないので、特許が切れることにより収益に重大な影響があるといわれています(医薬品の2010年問題)。

しかし、生活習慣を変えることについては、幸いなことに、

ということは明らかですし、

ということが(3~40年が経過したことで)分かったので、
大いに希望が持てます。