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運動しても体重が減らない原因は、消費カロリーが増えないから。希望どおりに体重を減らすなら、食事からの摂取カロリーを計算して減らす

運動しても体重が減らない人が多いです。
別に不思議なことではなくて、運動で使うカロリーは本来少ないものだからです。

人間は基礎代謝が大きいから、運動しても消費カロリーが増えにくい

人間は恒温動物ですから、体を動かさなくても
体温を一定に保つために多くのカロリーを使っています。
これを基礎代謝といい、全消費カロリーの7~8割になる人が多いです。
したがって、日常活動で使うカロリーは、残りの2~3割にしかなりません。

このようなカロリー消費のしかたをする(恒温動物である)人間が、
かなり長時間歩いても、図1下段の例のように、
カロリー消費量はそれほど増えません。

図1.体重を減らすために必要な食事と運動
 体重75kgの人が体重を減らして60kgに到達するために必要な
 摂取カロリーの減少量・消費カロリーの増加量とそれぞれの実行例。
 どちらも体重が減るにつれて消費カロリーが減り、
 摂取カロリーと釣り合うと目標の体重に到達する。
 摂取が-400kcal、消費が+500kcalと異なる理由は図2の説明を参照。

さらに、運動する時間が1日30分と少なければ、
どれだけ続けても(75–60)×(30/120)≒4kg以上減ることはありません。
週に3回ならさらにその半分、
運動を初めて6か月しかたっていないときには、さらにその半分
(図の「目標体重」というのは、運動を続けてもこれ以上は減らない体重のことで、
 この体重に達するまでにはもっと日数が掛かります)
にしかなりませんから、1kgしか減りません。

筋肉を付けても消費カロリーは増えにくい

また、運動そのものでカロリーを消費する以外に、
筋肉を付けて基礎代謝を高め、それによってカロリー消費を増やす
ともいわれています。

ところがこれも計算してみると、
しっかりトレーニングして筋肉が3kg増えたとしても、(これでもかなりたいへん)
それで消費するカロリーは80kcal。
かりに、この筋肉を維持することができても、
筋肉が増えたことによる体脂肪減少は、最大で2.5kgにしかなりません。
筋肉が付いたとしても体重全体は+3-2.5=0.5kgしか減らないのです。

「基礎代謝を高め脂肪の付きにくい体にする」
というのが言葉だけで、実現することがないのは、これが原因です。

体重を減らすなら、食事のカロリーを減らすのが現実的

このように、カロリーと体重についての計算結果は、
運動で体重が減らないという現実を説明することができます。
ですから、体重を減らす時にも、
目標の体重に合わせて
減らすべき食事のカロリーを計算
すればよさそうです。

実際にも、図1上段の例のように、
自分が減らしやすい食事 [1]
パターンを減らすカロリーに応じて変えるようにすると、
体重は計算どおりに減っていきます。 [2]

図2.目標体重に到達するために必要な消費カロリーと摂取カロリーの違い
 目標体重は、活動性(消費カロリー)に反比例し、摂取カロリーに比例する。
 そのため、60kgに達するために摂取カロリーなら400kcal減らせばよいが、
 消費エネルギーは500kcal増やさねばならない。
 この傾向は、目標体重が少なくなるにつれて広がっていく。